サイバーエージェントにおける研究開発組織・AI Labは、大阪大学大学院基礎工学研究科・立命館大学情報理工学部との3者共同研究グループによる接客ロボットの実証実験を実施した。
本実証実験では、複数ロボットがそれぞれ自律で会話する「協調対話」によって、通行人の行動変化や購買促進に繋がるかを検証する。近年、労働力人口の減少に伴ったサービス業における人手不足の深刻化や新型コロナウイルスの影響を受けて変化した新しい生活様式の浸透から、オンラインやロボットを活用した新しい接客手法が注目されている。特に利用客の多い商業施設においては、感染対策および人手不足に対応するためロボットの活用が期待されている。

同研究グループでは、これまで店舗の省力・省人化や接客効果の向上を目指した実証実験を行ってきた。しかし、1体のロボットでは利用客に対応できる時間に限界がある。効率的に対応ができる仕組みづくりや、利用客の目に留まる新たなロボットの活用方法が期待されていることから、本実証実験が実施された。
本実証実験では、滋賀県草津市のイオンモール草津にて、複数の自律ロボット同士が会話をすることで、通行人の行動に変化が起きるかの調査を10月に実施。11月中に、2台の自律ロボット同士が商品に関する会話をすることで、顧客に対し購買を促進できるかの調査を行う。今後も、実証実験を通して得た結果をもとに、ロボットによる接客・広告技術の研究を進め、実用化に向けて取り組んでいく。