日本デザイン振興会は、11月2日、2021年度グッドデザイン賞の「大賞」「金賞」「グッドフォーカス賞」の受賞結果を発表した。2021年を象徴するデザインである「グッドデザイン大賞」を受賞したのは、分身ロボット「OriHime」(オリヒメ)の開発や提供を手がけるオリィ研究所が運営する「分身ロボットカフェDAWN ver.β」(ドーンバージョンベータ)。
「分身ロボットカフェDAWN ver.β」は、「すべての人に社会とつながり続ける選択肢を」をテーマに、ALSなどの難病や重度障害で外出困難な人々が分身ロボットを遠隔操作して働く常設実験カフェである。社会課題をテクノロジーによって克服し、「動けないが働きたい」という意欲ある人々に雇用の場を提供。実際にここから企業就職するケースも生まれている。

本年度の「グッドデザイン金賞」に選ばれた20件のなかから、大賞候補となったファイナリストは「分身ロボットカフェDAWN ver.β」を含めて5件(以下、得票が多かった順)。

・小さくても地域の備えとなる災害支援住宅「神水公衆浴場」/ワークヴィジョンズ+黒岩構造設計事ム所+竹味佑人建築設計室

・炭素削減を目指すサプライチェーンシステム「The best sustainability-oriented organizational adaptation to climate change」/Hair O'right International Corporation

・移動型X線透視撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO CROSS」/富士フイルム

・3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)」/国土交通省都市局都市政策課

この中から、審査委員と今年度のグッドデザイン賞受賞者および一般来場者による投票を実施。「分身ロボットカフェDAWN ver.β」が大賞に選出された。

今回の大賞受賞を受け、オリィ研究所は、「さらなる事業の拡大やソリューション開発を進めることを通じ、外出困難者の就労と社会参加を積極的に推進し、今後とも未来の新たな働き方の発明に務めていく」との意気込みを発表した。