CM総合研究所は、2021年度(2020年11月~2021年10月)のCM好感度ナンバーワンブランド「BRAND OF THE YEAR 2021」を発表し、CM好感度ランキング上位の顔ぶれとCM展開を報告した。通信系、フードデリバリーが前回に引き続き上位にランクインし、新キャスト起用のブランドも好評を博した。

2021年度にCMを放送した全6737銘柄のうち、7年連続CM好感度1位に輝いたのは、KDDI「au」。代表作の「三太郎」シリーズは、桃太郎(松田翔太さん)とかぐや姫(有村架純さん)の娘として桃姫(村山輝星さん)が登場するCMや、「みんなってエブリワン!」のコピーで展開した正月CMが支持された。また、「意識高すぎ! 高杉くん」シリーズでは貯杉先生役で西野七瀬さんが登場し、新料金プラン「povo」「povo2.0」のCMも展開しながら、好感度第1位を牽引した。

2位のソフトバンク「SoftBank」は15年連続のトップ3入りを果たした。ドラえもん役のブルース・ウィリスさんをはじめ豪華キャストを起用した「ドラえもん」の実写化シリーズに未来のしずかちゃん役で上戸彩さんが新たに登場し、八村塁さん、古市憲寿さんも出演。ドラミちゃん役の広瀬すずさんが白戸家に現れるCMや、グローバル・ガールズグループのNiziUとコラボした「5G LAB」、松本人志さん、寺田心さんが出演した「学割HERO’S」のCMも好調だった。

3位はNTTドコモ「NTT DOCOMO」。綾瀬はるかさんがドコモタワーで「あなたと世界を変えていく。」と新しいブランドスローガンをアピールするCMが好評を博した。オンライン手続きプラン「ahamo」のCMには森七菜さんと神尾楓珠さんが出演し、2人組音楽ユニットYOASOBIの「三原色」をBGMに、「つながるって最高!」などと語りかけるCMがヒットした。このほか、浜辺美波さんが歌い踊る「d払い」のCMなども好感度を引き上げた。

KDDI「UQ」は満島ひかりさんが「UQUEEN」、松田龍平さんが執事を演じる「UQUEEN」シリーズを開始し、松田さんの進言に対して満島さんが「リスクを冒さないことこそ、最大のリスクだ」と返す第2弾CMが好評となった。楽天モバイルでは米倉涼子さんの「日本のスマホ代は高すぎる!」 と語りかけるCMや、米倉さんが楽天カードマン役の川平慈英さんや広末涼子さんらと通話しながら商品を薦めるCMなども展開し、放送回数、CM好感度とも自己最高値を記録した。

Uber Eats Japan「Uber Eats」は「今夜、私がいただくのは…」をキーワードにしたシリーズを継続し、本年度の松嶋菜々子さんとMattさんの共演作は意外性のあるキャスティングで票を伸ばした。また「出前館」は浜田雅功さんが「スーダラ節」の替え歌でサービス名を印象づけるCMが引き続き多くの支持を集め、作品別のCM好感度では総合1位に輝いている。ユニクロ「UNIQLO」は桑田佳祐さんの楽曲をBGMに綾瀬はるかさんが出演するシリーズを公開し、綾瀬さんが地下鉄のプラットホームで「レギュラーフィットジーンズ」を着用した桑田さんとすれ違うCMが票を伸ばした。AGCは広瀬すずさんをCMに起用し、「♪Aではじまり Cでおわる素材の会社はAGC」という歌に合わせ、彼女が「A」と「C」の文字をかたどった札を掲げるCMなどがヒットした。

2021年CM好感度トップ10の顔ぶれは以下の通り。
順位 企業名『銘柄名』 代表作品名
1 KDDI『au』 三太郎シリーズ 5G・桃姫登場
2 ソフトバンク『SoftBank』 白戸家:5Gってドラえもん? ドラミ登場
3 NTT ドコモ『NTT DOCOMO』  あなたと世界を変えていく
4 ソフトバンク『ワイモバイル』  Y!でいいのだ・ハジメちゃん登場
5 楽天モバイル『楽天モバイル』 Rakuten UN-LIMIT Vスタート
6  KDDI『UQ』  UQUEEN 懇願
7 Uber Eats Japan『Uber Eats』 松嶋菜々子とMatt「今夜、私が頂くのは…」メイクアップ
8 ユニクロ『UNIQLO』 21FW LifeとWear/Mジーンズ地下鉄
9 出前館『出前館』 Demae-can の歌
10 AGC『ブランディングCM』 AではじまりCでおわる素材の会社はAGC