電通デジタルとアサヒビールは共同で、合弁会社「スマドリ株式会社」を1月5日に設立した。お酒を飲む人も飲まない人もお互いが尊重し合える社会の実現を目指す。

「スマドリ」は、「お酒を飲まない/飲めない」方に焦点を当て、デジタルを中心としたコミュニケーション活動の設計やデータマーケティングを行う。多様な生活者ニーズの把握や理解を促進することで、アサヒビールの「お酒を飲まない/飲めない」方との関係強化、多様性を尊重し合える環境づくりを推進する商品やサービスの展開、体験の場の創出などさまざまな取り組みを支援する。

アルコールを取り巻く環境は、2010年にWHO(世界保健機関)で「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」が採択され、アルコール関連問題は2015年に策定された国連のSDGsにおける健康分野でも目標の1つとして明記されるなど、社会全体で協議しながら取り組むべきグローバルな課題として位置づけられている。

国内の消費者動向では、アサヒビールは、国内20~60代人口の約8000万人のうち約4000万人は「お酒を飲まない/飲めない」と推計している。ライフスタイルのさまざまな変化に伴い、お酒に対する向き合い方も多様化が進み、従来の画一的なお酒の楽しみ方に不満を感じる人や自分のペースで心地よい時間を楽しもうとする人が増えているとみている。

このような背景から、アサヒビールは、グループ理念"Asahi Group Philosophy"の実現のために設定したマテリアリティ(重要課題)の1つである「責任ある飲酒」を推進し、飲む人も飲まない人もお互いが尊重し合える社会の実現を目指すため、「スマートドリンキング®」を提唱している。2021年は、顧客自身が適した商品を選択できる環境を整備するため、同社が国内で販売する主なアルコール商品に含まれる純アルコール量のホームページでの開示や缶体への表記を実施した。さらに、中長期的にロー・ノンアルコールカテゴリーの強化を図る目標のもと、「ビアリー」「ハイボリー」といった"微アルコール"商品を新たに展開し、幅広い人々が楽しめる選択肢の充実化を推進している。

電通デジタルは、これらの考えに賛同し、「お酒を飲まない/飲めない」方のニーズ把握や理解を促進し、価値観浸透と取り組みの加速を図るため、合弁会社の設立に至った。