rinnaと電通は、AIキャラクターによるソリューション提供において協業を開始した。rinnaの法人向けプラットフォーム製品である「Rinna Character Platform」と、電通のAI自然対話プラットフォーム「Kiku-Hana」を組み合わせて、新たなAIキャラクターによる、法人向けソリューションの開発・提供を実現する。

近年、個人のライフスタイルの変化や企業が取り組む“働き方改革”の推進が活発になっている。また、ICTの技術革新によるサービスおよびユーザー体験の発展やコンテンツのデジタル化にともなって、コミュニケーションの形も多様化している。ユーザーは手元にあるスマートフォン1つで必要な情報を検索して取得したり、SNSで多くのユーザーと情報交換を行ったり、配信されるコンテンツを楽しむなどその活用方法はさまざま。企業は、このような進化するテクノロジーとユーザーの利用シーンを活用し、デジタル化したコミュニケーション手段を駆使することで、マーケティングや顧客関係の構築、維持などを模索している。

rinnaは、会話内容をカスタマイズしてキャラクター性を持たせたAIキャラクターを開発できる法人向けプラットフォーム製品「Rinna Character Platform」を提供している。Rinna Character Platformに含まれるコンポーネント「タマシル」を活用することで、技術的に難易度の高い雑談や自由会話を容易に取り入れることができ、多様化するコミュニケーションに高い付加価値を提供することが可能になる。これにより、企業はユーザーの声を活かした親和性の高いマーケティング活動をすることができる。

電通は、AIチャットボットの領域において、日本語の意味を理解するAI自然言語対話プラットフォーム「Kiku-Hana」を提供している。また、rinnaのISVパートナーとして、Rinna Character Platformの販売について協業をしてきた。

今回の協業により提供されるソリューションでは、Rinna Character Platformの雑談機能「タマシル」と、Kiku-Hanaのルールに基づく対話機能や対話形式で生活者インサイトを自動で深堀りする「Smart Interviewer」機能を組み合わせる。企業が「AIキャラクター」を用いて、利用者に話しかけたい会話を交わしながらインサイトを収集したり、雑談したりすることによって、キャラクターAIチャットボットを開発・展開することが可能になる。

このソリューションを利用して、トヨタ自動車とrinna、電通が共同で開発を行ったサービスを、一部のトヨタ販売店にて試験運用する。
店舗接客用サービスの販売店での利用イメージ
店舗接客用サービスの販売店での利用イメージ
トヨタ自動車とrinna、電通は、Rinna Character PlatformとKiku-Hanaの双方の持つ特徴を掛け合わせ、さらには、電通が有するエンターテインメントコンテンツ開発の知見と資産を活用し、今回、独自のAIキャラクターである「That’sくん」を開発した。試験運用されるサービスでは、That’sくんとの会話で、ゲームや占い、クイズ、雑談といった複数のコンテンツを提供。販売店に来店した利用客は、車両点検やオイル交換作業の待ち時間に店舗内からサービスにアクセスし、自由にコンテンツを楽しめる。また、販売店は、雑談を通じてお客様のインサイトを収集・分析することで、サービス品質や顧客満足度の向上につなげることができる。
That’sくんくんキャラクターイメージ
That’sくんくんキャラクターイメージ
なお、今回のサービスは、ネッツトヨタ帯広およびネッツトヨタ富山の販売店にて、1月15日より提供される。