TBWA HAKUHODOとFUKKO DESIGNは、近年の自然災害において注目されている在宅避難をする際に、どのような対策をすればよいのかをまとめた「コロナ禍でもすぐできる!在宅避難の備え」を発表した。
TBWA HAKUHODOとFUKKO DESIGNは、「防災アクションガイド」シリーズとして、今まで「大雨&台風」「天気の急変」「冬の荒天」「地震&津波」など各自然災害への備えに加え、「生活再建」「女性向け」といったニーズに合わせた対策などさまざまな切り口でガイドを制作してきた。今回は、避難所に行かず家の中にとどまる「在宅避難」の対策をまとめた。

近年、避難所の収容率が問題になっており、特に都市部など人口密集地では避難所に入れない人たちが溢れてしまう可能性も指摘されている。加えて、コロナ禍で密を回避しなければならず、不特定多数の人が集まる避難所の多くで収容人数を減らしている。

しかし、避難所への避難が前提となっている場所も多く、在宅避難について体系的にまとめた資料が豊富にはなかった。そこで、在宅避難での注意点や、大切な備蓄、その後の支援策など、避難生活を送るうえでの必要なポイントを網羅した「コロナ禍でもすぐできる! 在宅避難の備え」を作成することとなったという。

TBWA HAKUHODOのメンバー、元内閣府防災担当官房審議官の佐々木晶二氏や、災害支援団体の調整などを行うNPO法人全国災害ボランティア支援団体ネットワークの明城徹也氏など有志のチームを中心に、気象専門家などへの取材を経て制作した。

災害時にさまざまな情報が飛び交うSNSでの拡散を視野に入れ、わかりやすく、すぐに実践できるようにとの考えから、イラストなどを交えた画像を利用している。

<詳細>
「①風水害発生のとき」「②地震発生のとき」の大きく2つに分けてまとめられている。①の風水害の場合はある程度事前に予測が可能なため、前もって行える対策をまとめている。②の地震は予測ができないため、災害発生後の対応を中心にまとめている。

<風水害発生のとき>
「在宅避難の判断ポイント」
いざ避難する際の判断ポイントや、在宅避難と避難所の特徴をまとめている。
「自宅の備蓄を考えよう」
備蓄すべきもののリストや、備蓄の量や、効果的な備蓄方法を紹介している。
「在宅避難で気をつけること」
自宅や周囲の安全確認の方法や、在宅避難時の情報の集め方などを解説している。
「在宅避難で受けられる支援」
自治体の支援情報の収集方法や、災害ボランティアセンターで受けられる支援内容などを紹介している。
<地震発生のとき>
「在宅避難の判断ポイント」
いざ避難する際の判断ポイントや、在宅避難と避難所の特徴をまとめている。
「建物の安全判断をしよう」
自宅や周囲の安全確認のポイントや、応急危険度判定、被害認定などを説明している。
「在宅避難中に気をつけること」
最新の情報をチェックする方法や、ライフラインのチェック方法などを解説している。
「在宅避難で受けられる支援」
自治体の支援情報の収集方法や、災害ボランティアセンターで受けられる支援内容などを紹介している。
【プロジェクトリーダー TBWA HAKUHODO兼FUKKO DESIGN 木村充慶氏のコメント】
今回の「在宅避難の備え」制作は参考になる資料も少なく、いつも以上に大変な作業でした。災害の種類によって安全性が異なりますし、行政の対応も異なります。また、行政も安全確保のために避難所へ促すことが多いですが、特に都市部など人口密集エリアでは避難所に入れない可能性も高いと言われています。そのような状況のため情報発信が難しく、わかりやすい資料が多くなかったのではと推測します。ただし、だからこそまとめる意味があると感じました。毎年のように災害が発生していますが、災害の種類も様々です。避難方法についても様々な可能性を理解しておく必要があると思います。ぜひ多くの方にご活用いただければと思います。