富山県朝日町と博報堂は、2021年10月に締結したデジタルトランスフォーメーション(DX)連携協定を拡張させ、DX・カーボンニュートラル・情報発信/推進に特化した朝日町の新部署「みんなで未来!課」を官民連携で推進する。

朝日町と博報堂は、朝日町の自治体サービスの住民利便性向上を目的に、DXに関する課題について相互に連携・協力する連携協定を2021年10月に締結した。マイカー相乗り公共交通サービス「ノッカルあさひまち」や地域ポイントとLINEを活用した地域住民向けMaaS実証実験「ポHUNT(ポハント)」などの取り組みを開始しており、生活や地域コミュニティの活性化に寄与するサービス構築をともに推進している。

「ポHUNT」は、朝日町全体での移動活性化・商業活性化・健康活性化を目的とし、「おでかけ」や「クイズ」などゲーミフィケーションで楽しみながら町内を回遊し、地域活性化を目指す「共創型町おこしプラットフォーム」。2022年1月14日~2月20日の約1ヵ月間、「おでかけ」や「クイズ」などでポイントがもらえるキャンペーンを実施し、1300人以上が参加した。商業施設への来訪で町の活性化に寄与するだけでなく、外出機会が増加することで健康意識が高まった人が増加した。

また、LINE上に実装することで、さまざまな商業施設の参加に加え、健康クイズ/体操動画/アンケートなど自治体発の情報発信も可能で、行政と住民が直接つながる共創プラットフォームとしての拡張を目指している。
今回朝日町は、DXによる地域コミュニティと自治体サービスの再構築を強化するため、DX・カーボンニュートラル・情報発信/推進に特化した新部署「みんなで未来!課」を設置する。「みんなで未来!課」では、博報堂と官民連携し「みんなでつくるDXの実現」を掲げ、以下の取り組みを推進していく。

1.公共交通のDX:共助型マイカー交通「ノッカルあさひまち」×地域交通プラットフォームの推進
2.行政サービスのDX:「ポHUNT」を行政×住民の共創プラットフォームとして推進
3.グリーン戦略のDX:行政だけでなく、みんなで取り組むグリーントランスフォーメーション(GX)プラットフォームの推進
4.子育て環境のDX:学校や家庭だけでない地域での子育てプラットフォームの推進

また、博報堂からは、総務省の地域活性化企業人制度を活用しノッカルあさひまちのサービス開発を担ったDX推進の専門人材が参画。朝日町の社会課題に対し、官民連携体制を構築し、博報堂が取り組む「価値創造型DX」と生活者視点での解決を目指す。

日本の課題先進地域である朝日町での取り組みが、自治体DXのショーケースとなるよう、朝日町と博報堂は、引き続きDXによる地域コミュニティと自治体サービスの再構築に取り組んでいく。