第1回「鈴木三郎助全広連地域広告大賞」選考委員会が4月21日に開催され、26広告協会および一般による147作品の応募のなかから、最優秀賞およびチャレンジ部門賞に、「輝け!みんなの九州プロジェクト」による「流れ星新幹線」が選出された。また、優秀賞およびフィルム・オーディオ部門賞に、長崎崎県南島原市による「突撃!南島原情報局【神回】」が選ばれた。

この賞は、昨年度まで「全広連鈴木三郎助地域キャンペーン大賞/クリエイティブ大賞」として15回開催されてきたが、令和4年度より名称を「鈴木三郎助全広連地域広告大賞」と変更し、内容をリニューアル。地域の産業・経済・文化スポーツに関する広告活動を通じて、日本各地の地域活性化に貢献した優れた広告コミュニケーション活動を顕彰することにより、地域活性化を促進することを目的としている。選考は、「フィルム・オーディオ部門」「プリント部門」「チャレンジ部門」「キャンペーン部門」の4部門で行われた。

最優秀賞に選ばれた「流れ星新幹線」は、福岡県に拠点を置く九州旅客鉄道・西日本シティ銀行・LINE Fukuokaの3社が協力して立ち上げたプロジェクトによる企画。この10年、地震や豪雨、新型コロナウイルス感染症などの影響により、明るい話題が少なかった九州において、人々が未来への希望を感じ、少しでも明るく前向きな気持ちになれるようにとの願いを込めて、新幹線の特別走行を実施した。事前にLINE上で願いごとを募集し、777通を車両ラッピング等で掲出。2021年3月14日に一夜限り、光を放ちながら鹿児島中央駅~博多駅間の約250㎞を走行。ラッピングされた新幹線は同年5月まで通常運行され、全国47都道府県から集まった合計8350通の願いごとは太宰府天満宮に奉納されている。

贈賞の理由として、コロナ禍により移動の自粛が求められるご時世において、大きなダメージを負った新幹線が、こんなときだからこそ新幹線にしかできないチャレンジをした点や、すべての地域が今後参考にできる新しいアイデアである点が挙げられた。さらに、課題を越えて地域をひとつにした「熱量」が大賞にふさわしいと評価が集まった。

各賞の受賞作品は以下の通り。
 

最優秀賞/チャレンジ部門賞

受賞者:輝け!みんなの九州プロジェクト
受賞作:「流れ星新幹線」(イベント、空間表現、車体ラッピング、動画広告)
推薦協会:福岡広告協会

優秀賞/フィルム・オーディオ部門賞

受賞者:長崎県南島原市
受賞作:「突撃!南島原情報局【神回】」(動画広告)
推薦協会:長崎広告協会

選考委員会特別賞/キャンペーン部門賞

受賞者:岩手日報報社、協賛延べ843社
受賞作:「3月11日『県民の日』制定プロジェクト」(新聞、TVCM、動画、WEBサイト、SNS、イベント広告)
推薦協会:岩手広告協会

プリント部門賞

受賞者:青森県
受賞作:「#縄文式ビリビリ健康法」(新聞広告)
推薦協会:青森広告協会