5月26日、サイバーエージェントとNTTドコモは、両社の経営資源を活用した広告事業の展開を目的に、「株式会社Prism Partner(プリズムパートナー)」(以下、Prism Partner)を設立することで合意した。

広告商品の開発と広告主への販売を推進するとともに、ドコモの持つ独自のデータ・ポイント・メディアなどのマーケティングアセット、サイバーエージェントの持つAI技術やデジタルマーケティングにおける知見を活用し、オンラインとオフラインを統合した広告効果の可視化と効果最大化に向けた取り組みを進めていくという。

1. 新会社設立の背景
国内におけるインターネット広告費は2021年に前年比121.4%の2兆7052億円となり、初めてマスコミ4媒体(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)の広告費を上回った。さらに、デジタル販売促進市場では、2024年には市場規模が2500億円に拡大すると見込まれている。

これらを受け、8900万人以上の会員基盤を保有するドコモと、国内屈指のデジタル広告の実績を持つサイバーエージェントが、互いのノウハウとアセットを活かした新たな広告商品を提供し、広告主のマーケティング活動に貢献することを目指す。

2. 新会社による事業の特長
(1)デジタル販促からCRMまで一気通貫したソリューションを提供
ドコモが保有するサービス利用情報などの会員基盤データやオンライン・オフラインデータを基に広告を配信するドコモのターゲティング広告商材を販売する。また、「dポイント」を活用した購買行動促進、購買の効果分析を一貫して行うドコモのデジタル販促広告商品を開発支援・販売する。広告配信結果のデータをドコモのマーケティングプラットフォーム「スーパー販促プログラム」などのCRMツールと連携することで、利用者への広告配信に留まらず、商品やブランドへの愛着・信頼の向上に繋がる 活動を運用面含めてサポートする。

(2)ゲームを中心としたアプリ事業者向けの新たな切り口でのターゲティング広告を提供
ドコモが持つ利用者会員情報やアプリ利用傾向に関するデータなどを活用したアプリ事業者向けのドコモの広告商品を開発支援・販売する。開発支援に際しては、これらのドコモの保有データと、サイバーエージェントが提供するスマートフォンアプリに特化したダイナミックリターゲティング広告「Dynalyst」を連携させることで、高度なアドテクノロジーを活用し、利用者のニーズに応えてカスタマイズされた広告配信を実現する。
3. 各社の役割
【ドコモ】
  • 8900万を超える「dポイント」会員基盤や各メディア接点から取得したdポイント・d払いの利用履歴などに基づいた購買行動データを、「プライバシーポリシー」に即した範囲で個人を特定できないような形で利用し、オンラインとオフラインを横断した利用者まの興味・関心などを推定し、効果的な広告配信に努める。
  • 「dポイント」や「d払い®」の経済圏を活性化させ、利用者の購買行動を促進することにより、メーカーや小売事業者の販売促進活動に貢献する。
  • お客さまの許諾を得て利用する位置情報や、各種ドコモサービス利用状況などのドコモならではのデータや、「dポイント」・「d払い」加盟店での購買情報をAI解析することで、広告の配信対象拡大や利用者の趣味嗜好などの分析を可能にし、広告主のマーケティング活動に貢献する。

【サイバーエージェント】
  • デジタル広告市場において国内トップクラスの「販売力」「運用力」「広告プロダクト開発力」を活かし、広告配信システムの開発から広告運用体制の構築、広告主への販売まで一気通貫して支援を行う。
  • 国内トップクラスのDSPの開発実績とデジタルマーケティング全般に関わるAI技術の研究開発組織「AI Lab」におけるこれまでの知見を活用し、広告効果の計測および最大化へとつながる広告配信システムの開発を実施する。
  • DX支援を通じた小売事業者との連携を活かし、オンラインからオフラインまでを統合した販売促進に関する企画立案や販売促進効果の計測を行う。