テクノロジーとアイデアを起点とした社会課題の解決や、あたらしい表現開発を実践する Dentsu Lab Tokyoは、身体に障がいを持つ方とともに、その視点やクリエイティビティの力を借りて、誰でも表現ができるためのツールや環境をつくることを目的とした「ALL PLAYERS WELCOME」プロジェクトを始動した。
第1弾として、従来のツールを基に身体性により表現を拡張するオリジナル操作UIの開発、無償提供を行うプラットフォーム「ALL PLAYERS TOOL LAB」を立ち上げ、ALSという難病を抱えながら活動を続けるアーティスト武藤将胤さん、コンポーザーのPONE(Guilhem Gallart)さんと目の動きで操作する演奏ツールを共同開発。制作したライブ演奏ツールを活用し、6月20日~24日にフランスで開催された2022カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルにおいて、武藤さん、PONEさんによるコラボレーションライブパフォーマンスを実現した。ALS患者2名による音楽制作とライブ演奏は、世界初の取り組みとなる。

ライブ演奏に使用されたのは、自由視点による演奏装置「EYE XY PAD」、リアルタイムでより容易なトラック操作を可能にする「EYE MIDI PAD」、異なる地点での生演奏時に発生する遅延の問題を解消する遅延対応リモート演奏装置「SHOOTING PAD」の三種類。どれも目の動きのみで操作することが可能なため、子どもたちや初めて楽曲を制作する人なども含め、幅広い層で活用されることが期待される。

Dentsu Lab Tokyoは、今後もデジタルテクノロジーとアイデアによって、人の心を動かす表現開発や、世の中が求める社会の課題解決を実践してく考えだ。