WILLER、名鉄バス、名古屋工業大学、STATION Aiの4者は、名古屋市の名駅南~栄南地区を東西に結ぶ三蔵通を中心とした都心部の公道において、自動運転の実証実験を9月1日から9月30日の間実施すると発表した。
今回の実証実験は、実運行において再現可能なビジネスモデルの構築を目指した愛知県における2022年度自動運転実証実験に採択。「イノベーション創出に向けた自動運転車の活用」を実証テーマとしており、約1世紀にわたり地域の皆様の移動ニーズに応えている名鉄バス、全国各地での実証実験の実績と海外で商用運行することによる自動運転の知見を持つWILLER、都市デザインの研究を行う名古屋工業大学と、スタートアップ支援拠点のSTATION Aiが、それぞれの強みを活かして共同で実施する。

車両は、一般的な運転席、ハンドル、アクセル、ブレーキペダルのない自動運転専用のEV車両「Nanamobi」をWILLERが提供。自動走行に必要な測位システム、センサーを搭載し、直進・加減速・停止・左折・右折をシステムにより自動で走行することが可能となっている。また、デザインは名古屋の三英傑(織田信長、豊臣秀吉、徳川家康)をイメージしており、兜の立物と名鉄バスを意識したラインもあしらわれている。
実証実験の主な特徴は以下の通り。

(1)自動運転とまちの共存を目指し、利用者の都心への立ち寄りの利便性が高く、都心では比較的交通量の少ない自動運転の早期実現性の高いルートを運行

(2)「動く会議室」をコンセプトに、特殊フィルムを貼り付けた車の窓ガラスにプレゼンテーションなどの映像を投影できるようにしており、自動運転車の移動時間に付加価値を与える車室空間について検証

(3)自動運転による自由な移動を想定し、スマートフォンアプリを用いたオンデマンド運行(一部期間のみ)や、遠隔モニタリングを実施

実証実験を通じて自動運転の実用性向上を検証し、運転手不足や環境問題といった社会課題を解決することはもちろん、さらなるQOL向上を目指した将来的なサービスモデルを検討していく。

日程は9月1日から9月30日の祝日を除く火・水・木・金曜日。今回は、ビジネスによる活用検証を目的としているため、一般向けの試乗は行っていないが、9月19日、23日には子供向けの自動運転ワークショップの開催を予定している。
走行ルート:名古屋市の三蔵通りを中心としたルート
走行ルート:名古屋市の三蔵通りを中心としたルート