NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)、東映およびNTT QONOQ(以下、コノキュー)はデジタルヒューマンを活用し、接客やコミュニケーションを行う実証実験を3月9日より開始した。

同実証実験では、リアリティのあるデジタルヒューマン「CONN(コン)」がNTT Comのワークプレイス「OPEN HUB Park」で接客やコミュニケーションを行い、企業における新たな顧客接点としてのデジタルヒューマン活用の可能性を検証する。
デジタルヒューマン「CONN(コン)」は、東映ツークン研究所によるデジタルヒューマン技術とNTT人間情報研究所が持つモーション・音声生成技術により生み出された。2社の技術により、さらに人間に近い自然な振る舞いが可能となっている。リアリティのあるデジタルヒューマンの活用法の可能性を広げるため、「OPEN HUB Park」で実際に接客やコミュニケーションを行う。

労働力不足や生産性向上が課題となるなか、企業ではXRやメタバース、ロボットなどの
先進技術活用の検討が進んでいる。なかでも、コンタクトセンターや店舗などの顧客接点において、チャットボットやバーチャルなキャラクターの導入が広がりつつあるが、リアルな人との接点が求められる場面は依然として多く、さらなる普及に向けては、よりリアルな人間に近い動きやコミュニケーションが可能なバーチャルキャラクターが求められている。

このような背景をふまえ3社は、より人間に近い自然なふるまいができるデジタルヒューマン「CONN」を生み出した。「CONN」は「OPEN HUB for Smart World」において接客・コミュニケーションを行う「デジタルカタリスト」として活動することで、これまで主にエンターテイメント分野で展開されてきたデジタルヒューマンの企業における新たな顧客接点としての活用の可能性を検証する。

なお、「CONN」の生成においては、実在のカタリスト9名の顔を、東映ツークン研究所の最新版の「LightStage(ライトステージ)」にてスキャンし、CGによりリアルな人間(デジタルヒューマン)を生成する技術を活用して生成している。

また、パーソナリティ(ふるまい、音声)も、実在するカタリストのモーションキャプチャデータと音声データをNTTグループが開発するAIエンジンに学習させ、カタリストのふるまいと声の特徴を再現した。
「CONN」の生成:ビジュアル
「CONN」の生成:ビジュアル
「CONN」の生成:パーソナリティ(ふるまい、音声)
「CONN」の生成:パーソナリティ(ふるまい、音声)
今後、3社は同実証実験を通じて得られた知見をもとに、各社内でのデジタルヒューマンの活用を検討するとともに、イベントやショールームでのアテンダント、企業の受付、アパレル店舗の店員など幅広い業種や業界の企業を対象に、デジタルヒューマンを活用したソリューションの提供を目指すとしている。