Vol.5 転職はプラス、マイナスどっち?「マーケターのキャリア」〈前篇〉 キャリアアップナビ
キャリアアップナビでは、マーケティングやクリエイティブ職のキャリアアップについて毎月テーマをピックアップして、キャリアコンサルタントが解説していきます。今回のテーマはマーケターとしてのキャリアを考えたとき転職はプラスに働くのか、マイナスになるのか。2回にわたりご紹介します。良い転職は、良質な情報を入手することから始まります。「こんなはずでは、なかったのに…」とならないための、転職情報をお届けします!
──そもそも事業会社側でマーケティング職に就くには、どのような方法があるの?
ほとんどの事業会社では、新卒時に総合職として採用され、人事異動を経てマーケティング部門へ配属になるケースが多いです。ただマーケティング力を強化している一部の事業会社、特に外資系企業においては、新卒時からマーケティング部門配属の専門職として採用するケースもあります。その他、広告会社やコンサルティングファームでマーケティング業務に携わった後、中途採用で事業会社のマーケティング職へ就くなどのケースも考えられます。
──マーケティング部門を経験した後、どのようなキャリアが考えられますか?
他の部門と同様に経営層にまで昇進することもありますが、一般的に国内企業においてはマーケティング部門出身の経営トップはまだ少ないと言われています。
またマーケターから社内異動でゼネラリストへ転向するケース、スペシャリストとして極めるケース、クライアントのマーケティング活動を支援するコンサルティング側へ転身するケースなどが考えられます。
ゼネラリストとは、ビジネスにおいて、幅広い分野の知識やスキル、経験を有する人のことで、日本の職場では、総合職を指すことが多いです。スペシャリストは、ビジネスにおいて、特定の分野を専門にする人のことを指します。
──スペシャリストとしてキャリアを重ねた先に、どのような展望があるのでしょうか?
多くのマーケターがCMO(Chief Marketing Officer)を目指すのではないでしょうか。
CMOになるためには、今所属している企業で昇進していく方法もありますが、さまざまな企業でマーケティングの経験・実績を積んでCMOとして就任するケースが多い印象を受けます。いずれにしてもこれまでの実績で評価されます。どの企業に所属しているかよりも、自身の名前で勝負していくことが重要になると思います。そのために、実務での実績を積みながら、セミナーや講演への登壇など、マーケターとして知名度を築く努力も必要になります。
──マーケターは転職を重ねている人が多いように思います。複数の事業会社で経験を積むことのメリットは何ですか?
さまざまな業種・商材のマーケティング経験を積むことは、スペシャリストとしてステップアップしていく糧になると思います。
また日本の企業においてマーケティングを極めようとすると、転職を考えざるを得ない状況に至るというのが現状としてあります。日本の企業はジョブローテーションが一般的で専門特化した人材よりもゼネラリストを育成しようとする傾向が強くあります。そこでマーケティング部門のスキルを極めようと考える人が他部門への異動の打診をきっかけに、転職を考えるというケースも多くあります。
ただ、部署異動を長期的なキャリアスパンで捉えたとき、自社の商品・サービスに専念・追究して、さまざまな部署で多角的な経験やスキルを身に付けることは、将来再びマーケティング部門へ戻ってきたときにはプラスの経験に転じますし、社内で管理職や経営層への道が拓けるという側面もあります。それぞれの会社の人事の方針も踏まえて、自身のキャリアを考える必要があるでしょう。
──中途採用において、転職経験がポジティブに働くことがあるのでしょうか?
マーケターとしてのスキルを積み上げている転職経験であれば、ポジティブに働くことは多いにあります。中途採用は、スキルを重視した採用です。企業は自社にはない、もしくは強化したいスキルを求める傾向が強く、他社でのマーケティング経験が評価されて採用に至ります。
また、中途採用者には自社にはなかったアイデアや新風を吹き込んで欲しいという期待もあると思います。
──マーケティング職の求人は多いのでしょうか?
常に求人案件はあるものの、決して件数が多いとはいえません。マーケティング職を中途採用する場合、欠員が発生したときや社内にリソースがない経験者を採用したいという理由が多く、突発的に求人が発生する傾向が強いからです。
そのため、ピンポイントでの採用となり、採用人数も1人など少数です。採用が決まると募集がなくなり、再び求人が発生するとは限りません。興味のある求人を見つけたら応募したほうがよいでしょう。特に、大手企業の場合、採用ではなく社内のジョブローテーションで人員を補充するケースが多いため、求人が発生することは稀です。
──どのようなスキルが求められますか?
即戦力レベルのマーケティングスキルを求められるケースがほとんどです。即戦力レベルといっても、具体的な条件は、企業ごとに異なるため求人票を確認するとよいでしょう。
デジタルとデータベースの活用が、マーケティングにおいても重要視されているため、特にデジタルマーケティングや顧客データ活用の経験を持った人材は評価されやすいです。
これらのスキルにプラスして、その企業の商品・サービスに対する愛着や企業理念などへの共感も重要な判断基準になります。
──結論として、マーケターにとって転職はプラスとマイナスのどちらに働くのでしょう?
転職によって多様な業種・商材のマーケティング経験を積むことはできるでしょう。その一方で、転職しないことが結果的にプラスに転じることも考えられます。キャリアを長期的に捉えたとき、それが自分にとってプラスになるかが判断の基準になると思います。
次回は「転職はプラス、マイナスどっち?」の後編として、転職をする上でのさまざまな注意点をお伝えしたいと思います。
ほとんどの事業会社では、新卒時に総合職として採用され、人事異動を経てマーケティング部門へ配属になるケースが多いです。ただマーケティング力を強化している一部の事業会社、特に外資系企業においては、新卒時からマーケティング部門配属の専門職として採用するケースもあります。その他、広告会社やコンサルティングファームでマーケティング業務に携わった後、中途採用で事業会社のマーケティング職へ就くなどのケースも考えられます。
──マーケティング部門を経験した後、どのようなキャリアが考えられますか?
他の部門と同様に経営層にまで昇進することもありますが、一般的に国内企業においてはマーケティング部門出身の経営トップはまだ少ないと言われています。
またマーケターから社内異動でゼネラリストへ転向するケース、スペシャリストとして極めるケース、クライアントのマーケティング活動を支援するコンサルティング側へ転身するケースなどが考えられます。
ゼネラリストとは、ビジネスにおいて、幅広い分野の知識やスキル、経験を有する人のことで、日本の職場では、総合職を指すことが多いです。スペシャリストは、ビジネスにおいて、特定の分野を専門にする人のことを指します。
──スペシャリストとしてキャリアを重ねた先に、どのような展望があるのでしょうか?
多くのマーケターがCMO(Chief Marketing Officer)を目指すのではないでしょうか。
CMOになるためには、今所属している企業で昇進していく方法もありますが、さまざまな企業でマーケティングの経験・実績を積んでCMOとして就任するケースが多い印象を受けます。いずれにしてもこれまでの実績で評価されます。どの企業に所属しているかよりも、自身の名前で勝負していくことが重要になると思います。そのために、実務での実績を積みながら、セミナーや講演への登壇など、マーケターとして知名度を築く努力も必要になります。
──マーケターは転職を重ねている人が多いように思います。複数の事業会社で経験を積むことのメリットは何ですか?
さまざまな業種・商材のマーケティング経験を積むことは、スペシャリストとしてステップアップしていく糧になると思います。
また日本の企業においてマーケティングを極めようとすると、転職を考えざるを得ない状況に至るというのが現状としてあります。日本の企業はジョブローテーションが一般的で専門特化した人材よりもゼネラリストを育成しようとする傾向が強くあります。そこでマーケティング部門のスキルを極めようと考える人が他部門への異動の打診をきっかけに、転職を考えるというケースも多くあります。
ただ、部署異動を長期的なキャリアスパンで捉えたとき、自社の商品・サービスに専念・追究して、さまざまな部署で多角的な経験やスキルを身に付けることは、将来再びマーケティング部門へ戻ってきたときにはプラスの経験に転じますし、社内で管理職や経営層への道が拓けるという側面もあります。それぞれの会社の人事の方針も踏まえて、自身のキャリアを考える必要があるでしょう。
──中途採用において、転職経験がポジティブに働くことがあるのでしょうか?
マーケターとしてのスキルを積み上げている転職経験であれば、ポジティブに働くことは多いにあります。中途採用は、スキルを重視した採用です。企業は自社にはない、もしくは強化したいスキルを求める傾向が強く、他社でのマーケティング経験が評価されて採用に至ります。
また、中途採用者には自社にはなかったアイデアや新風を吹き込んで欲しいという期待もあると思います。
──マーケティング職の求人は多いのでしょうか?
常に求人案件はあるものの、決して件数が多いとはいえません。マーケティング職を中途採用する場合、欠員が発生したときや社内にリソースがない経験者を採用したいという理由が多く、突発的に求人が発生する傾向が強いからです。
そのため、ピンポイントでの採用となり、採用人数も1人など少数です。採用が決まると募集がなくなり、再び求人が発生するとは限りません。興味のある求人を見つけたら応募したほうがよいでしょう。特に、大手企業の場合、採用ではなく社内のジョブローテーションで人員を補充するケースが多いため、求人が発生することは稀です。
──どのようなスキルが求められますか?
即戦力レベルのマーケティングスキルを求められるケースがほとんどです。即戦力レベルといっても、具体的な条件は、企業ごとに異なるため求人票を確認するとよいでしょう。
デジタルとデータベースの活用が、マーケティングにおいても重要視されているため、特にデジタルマーケティングや顧客データ活用の経験を持った人材は評価されやすいです。
これらのスキルにプラスして、その企業の商品・サービスに対する愛着や企業理念などへの共感も重要な判断基準になります。
──結論として、マーケターにとって転職はプラスとマイナスのどちらに働くのでしょう?
転職によって多様な業種・商材のマーケティング経験を積むことはできるでしょう。その一方で、転職しないことが結果的にプラスに転じることも考えられます。キャリアを長期的に捉えたとき、それが自分にとってプラスになるかが判断の基準になると思います。
次回は「転職はプラス、マイナスどっち?」の後編として、転職をする上でのさまざまな注意点をお伝えしたいと思います。