電通は、全国15~64歳の2000人を対象に「仕事・結婚・子育てに関する意識調査2023」を実施し、9月4日その調査結果を公開した。同調査では、調査対象者を「Z世代(15~26歳)」「ミレニアル世代(27~42歳)」「X世代以上(43~64歳)」の3世代(※2)に分け、世代ごとの意識の違いを分析している。調査結果は以下のとおり。

主なファインディングス

  1. 「結婚の選択は個人の自由」(73.9%)「子どもを持つ選択は個人の自由」(69.8%)と考える人は、ともに約7割。
  2.  Z世代の半数以上(54.6%)が「転職は自分の人生を良くするための手段である」と考え、4割弱(38.7%)が「当面の生計がたてられれば、非正規雇用でもよい」と考える。
  3.  Z世代の6割以上(64.4%)が「産休・育休制度のしっかりした職場で働きたい」と考える。
  4.  X世代以上は、他の世代に比べ「結婚したならば、子どもを持つ方がよい」(39.3%)「子どもができたならば、結婚した方がよい」(53.1%)と考える人が多い。

各ファインディングスの詳細

1.「結婚の選択は個人の自由」(73.9%)「子どもを持つ選択は個人の自由」(69.8%)と考える人は、ともに約7割。

「結婚」に関する考え方として、「結婚するかしないかは個人の自由だ」と考える人は73.9%(「そう思う」「ややそう思う」の合計)に及んだ。そのうち「そう思う」と回答した人は全体平均で42.0%、X世代以上(36.4%)は最も低く、ミレニアル世代(49.4%)より13.0ポイント低かった。
【図表1】結婚するかしないかは個人の自由だ
【図表1】結婚するかしないかは個人の自由だ
また、「出産と子育て」に関する考え方にについて最も当てはまるものを尋ねたところ、「子どもを持つかどうかは個人の自由だ」と考える人は全体平均で69.8%(「そう思う」「ややそう思う」の合計)。そのうち「そう思う」と回答した人は38.3%、同じくX世代以上(33.7%)が最も低い。
【図表2】子どもを持つかどうかは個人の自由だ
【図表2】子どもを持つかどうかは個人の自由だ

2. Z世代の半数以上(54.6%)が「転職は自分の人生を良くするための手段である」と考え、4割弱(38.7%)が「当面の生計がたてられれば、非正規雇用でもよい」と考える。

20~30代の就職に関する考え方に、最もあてはまるものを尋ねたところ、「転職は自分の人生を良くするための手段である」と考える人は全体平均で48.2%(「そう思う」「ややそう思う」の合計)。世代別では、Z世代(54.6%)が最も高く、ミレニアル世代(52.8%)、X世代以上(43.4%)と続いた。
【図表3】転職は自分の人生を良くするための手段である
【図表3】転職は自分の人生を良くするための手段である
また、「当面の生計がたてられれば、非正規雇用でもよい」と考える人は全体平均で30.1%(「そう思う」「ややそう思う」の合計)。Z世代(38.7%)が最も高く、同じく若い世代ほど高い。
【図表4】当面の生計がたてられれば、非正規雇用でもよい
【図表4】当面の生計がたてられれば、非正規雇用でもよい

3. Z世代の6割以上(64.4%)が「産休・育休制度のしっかりした職場で働きたい」と考える。

「仕事と家事育児の両立」に関する考え方として最もあてはまるものを尋ねたところ、「育休や産休の制度がしっかりしている職場で働きたい」と考える人は全体平均で53.5%(「そう思う」「ややそう思う」の合計)。特に、Z世代(64.4%)は、全体より10.9ポイント高い。
【図表5】育休や産休の制度がしっかりしている職場で働きたい
【図表5】育休や産休の制度がしっかりしている職場で働きたい

4. X世代以上は、他の世代に比べ「結婚したならば、子どもを持つ方がよい」(39.3%)「子どもができたならば、結婚した方がよい」(53.1%)と考える人が多い。

「結婚」に関する考え方としてどの程度あてはまるかを尋ねたところ、「結婚したならば、子どもを持つ方がよい」と考える人は全体平均で34.8%(「そう思う」「ややそう思う」の合計)。世代別では、X世代以上(39.3%)が最も高く、ミレ二アル世代(31.2%)、Z世代(27.1%)と続いた。
【図表6】結婚したならば、子どもを持つ方がよい
【図表6】結婚したならば、子どもを持つ方がよい
また、「子どもができたならば、結婚した方がよい」と考える人は全体平均で50.7%(「そう思う」「ややそう思う」の合計)。X世代以上(53.1%)が最も高く、同じく年齢が上の世代ほど高い。
【図表7】子どもができたならば、結婚した方がよい
【図表7】子どもができたならば、結婚した方がよい

調査概要

目的:日本国内における仕事・結婚・子育てに関する世代による意識の違いを把握する
対象エリア:日本全国
対象者条件:15~64歳(性別回答選択肢「男性」「女性」「その他・答えたくない」)
サンプル数:2000人(同調査における構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合がある)
調査手法:インターネット調査
調査期間:6月23日~26日

※1:SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2015年9月の国連サミットで採択され、国連加盟193カ国が2016~30年の15年間で達成するために掲げた目標。持続可能な社会をつくるための17の目標と169のターゲットからなる。
※2:同調査2023年発表時点では、米国ピュー・リサーチ・センターの定義に準じ、15~26歳をZ世代、27~42歳をミレニアル世代、43~64歳をX世代以上と定義。