妊娠初期から産後に至るまで、「切れ目のない父親支援」の社会創りに取り組む、Daddy Support協会は、同協会初のプロダクトとして「妊娠期から夫婦で共に歩める」をコンセプトに、父親向けに作成したリーフレット「Map for Family and DAD」を公開した。
このリーフレットは、3月16日~4月28日にREADYFORにて行われたクラウドファンディング「『親の健康を守るために』妊娠期から使える、父子手帳を作りたい!」の成果物としても作成され、返礼品として、協賛団体・企業・個人に配布している。

今後、同社団ではより詳しいナレッジなどを提供するツールとしての「父子手帳」の作成、妊娠期から受けられる「父親教室」の提供などを進めると同時に、さまざまな自治体・企業と連携した、全ての父親が支援を受けられるツール・環境の整備を進めていく。

作成の背景

育児・介護休業法の改正により男性の育児参画が進む現代、父親が育児をできる環境は必ずしも整備されていない。これにより、育児と仕事の両立や、育児参画そのものに悩む父親も多く、「父親の出生後のうつ」が問題になってきている。

産後・育児による父親のメンタルヘルスはあまり注目されてこなかったが、厚生労働省が実施している国民生活基礎調査データ「平成28年 国民生活基礎調査の概要」では、「産後に10%近くの父親がメンタルヘルス不調のリスクがある」という結果が示され、これは母親と変わらないレベルだと報告されている。

また育児をしたいと思っていても、知識が得られず主体的に動けない父親も多くいる事実もある。情報収集をしても「父親育児」に関する実践的で役に立つ情報は少なく、正しい知識にアクセスすることが難しいのが現状だ。その結果、「期待と文化のギャップ」に苦しむ父親が増えているという。Daddy Support協会ではそうした父親たちに向けて、「父親として妊娠から出産後の家族をサポートするための考え方・知識」を身につけることができる、父親支援のためのリーフレットを作成した。

リーフレットの内容

同リーフレットは、産後うつ経験者・育児当事者でもある同社理事の斉藤氏をプロジェクトリーダーとして、これまで育児に悩んだ父親たち50名以上のヒアリングと、代表理事で産婦人科医でもある平野医師を中心とした多様な専門職のメンバーによる「今の父親に必要と思われる考え方・知識」をまとめたものとなっている。

妊娠期から育児期間を時系列に整理し、特に産後にフォーカスが当てられがちな父親の育児に対し、妊娠期からの心構えや行動を分かりやすく表記することで、実際に「ダディ・アクション」として「やるべきこと」や、「妊娠期に気をつけたいこと」を知ることができるリーフレットになっている。また、受援力(頼る力)を重要視し、支援先を書き込めるスペース、支援先を調べるきっかけや記入を促す内容などを散りばめている。B3サイズの4つ折りの仕様になっており、裏面は見開きページとして自宅の壁や冷蔵庫などに貼って使用することができる。