台湾の百貨店「誠品」グループ国内1号店「誠品生活日本橋」は、5月30日~6月29日の期間、「頁をめくる。」をテーマに、「紙の本」の良さを見つめ直すきっかけとなることを目的に多彩な企画を展開する。
本企画のキービジュアルは、「Most Beautiful Swiss Books」に選出された『Poemotion』や、『モワレラマ』の著者でありデザイナーの倉嶌隆広氏が手がけ、期間中には、モーションアート・キットを使用したワークショップを開催する。また、池澤夏樹氏・池澤春菜氏によるトークイベントや、個人出版物「ZINE」発行者交流会、『空想装丁図書館』展示・ワークショップイベントなど多彩な企画を通して、「紙の本」の多様な楽しみ方を体験し、その魅力を再発見してもらう特別企画となっている。

現在、インターネットや電子書籍の普及、娯楽媒体の多様化により商業出版市場は、1996年の2.6兆円をピークに2024年は1.5兆円まで縮小縮小している。文化庁の「国語に関する世論調査(2023年度)」によると、1カ月に1冊も本を読まない16歳以上の日本人は6割を超えて過去最多となり、大人の読書離れが進んでいることが明らかとなった。

しかし、ページをめくる手触りや音、紙の匂い、風合いのある活字や、美しい装丁など、「紙の本」特有の魅力を支持する声も根強く存在する。特に最近では、個人出版物「ZINE」のつくり手・読み手が増加し、各地で開催される「文学フリマ」や「ZINEフェス」が活況を見せている。

そこで、書籍を中心に据え、最新のカルチャーを提案する誠品生活日本橋では、デジタルにはない「紙の本」の魅力を見つめ直し、発信したいとの思いから、本企画「頁をめくる。」を開催する。

特別企画「頁をめくる。」の注目イベント

●切って貼ってつくるモーションアート<モワレラマ>
『モワレラマ』
『モワレラマ』
モーションアートイメージ
モーションアートイメージ
開催日:6月28日11:00~/14:00~
場所:FORUM
参加費:1430円(税込)
概要:動くシートと色紙を好きな形に切り抜いて、貼ってつくる「モーションアート<モワレラマ>」。縞のフィルムシートを重ねると、絵が動き出す。アナログな仕組みを通して。視覚のふしぎや絵の見え方の変化を楽しむ自分だけの「うごく絵本」。モーションアート・キットを使ってつくるワークショップ。

【著者プロフィール】
倉嶌隆広氏(アーティスト/デザイナー)
1970年生まれ。愛知県出身。武蔵野美術大学卒業。東京を拠点に活動。視えるものと視えないもの、意図しない形に着目することで、目の前にはない存在や概念を想起させる表現を模索。 書籍、リトグラフ、アクリルオブジェ、映像など、さまざまな媒体を通じて作品制作を継続的に行う。主な作品として、「Most Beautiful Swiss Books」に選ばれた『Poemotion』、続編『Moirémotion』、『モワレラマ』、北九州市科学館での常設展示「モアレの不思議」、日経広告賞のトロフィーなど。2025年、Berliner Philharmonikerとのコラボレーション「The Berliner Philharmoniker perform Unsuk Chin」は、第67回グラミー賞(最優秀ボックスまたは特別限定版パッケージ賞)にノミネート。
倉嶌隆広氏(アーティスト/デザイナー)
倉嶌隆広氏(アーティスト/デザイナー)
●「頁をたびする。」池澤夏樹さん×池澤春菜さんトークイベント
開催日:6月7日18:00~19:30
場所:FORUM
参加費:2200円(税込) オンライン1100円(税込)
概要:ごく身近に「本」が存在していた幼少期から現在に至るまでの読書体験や、大人になった今の「読書」との向き合い方など、「最高の本読み仲間」と称するおふたりとの、めくるめく本の旅にご招待。

●僕らが本に出会う時。―子どもと本が出会うとき、僕たち大人には何ができるだろう?
吉成信夫著『賑わいを創出する図書館』KADOKAWA
吉成信夫著『賑わいを創出する図書館』KADOKAWA
開催日:6月29日14:00~15:30
場所:FORUM
概要:図書館の枠に留まらないみんなの場所「みんなの森 ぎふメディアコスモス」。その元総合プロデューサーであり、著者の吉成信夫さん、未来読書研究所共同代表の田口幹人さんを迎え、子どもと本との出会いをテーマに話す。

「頁をめくる。」ブックイベント

●「ZINE」発行者交流会
「ZINEの庭」イメージ
「ZINEの庭」イメージ
誠品生活日本橋のZINEの展開
誠品生活日本橋のZINEの展開
開催日:6月21日~22日14:00~17:00
場所:FORUM
概要:4月から誠品生活日本橋で販売を開始した個人出版物「ZINE」。独自の視点や個性が感じられる「ZINE」の発行者が集う。トークの時間も用意。「庭」に集う感覚で立ち寄れる。

【トーク登壇スケジュール】(予告なく変更となる場合あり/敬称略)
・6月21日
14:30~ 中前結花「商業出版とZINEは全然ちがう?!」(主な作品『ドロップぽろぽろ』ほか)
15:00~ 三谷英美子「文学、出版に無縁の私が、アフリカ縦断旅 ZINE作って売っています」(主な作品『景色は続く』)
15:30~ 余白「ZINEって、売れるの?作ってみたら、意外と…」(主な作品『酔う日々』ほか)
16:00~ 町田めぐみ「何者でもない私を遠くへ運んでくれた本」(主な作品『Chai Book』)
16:30~ 仲俣暁生「カメと原っぱ」(主な作品「破船房」レーベル主宰、『もなかと羊羹』)

・6月22日
14:30~ 中前結花「商業出版とZINEは全然ちがう?!」(主な作品『ドロップぽろぽろ』ほか)
15:00~ 三谷英美子「文学、出版に無縁の私が、アフリカ縦断旅 ZINE作って売っています」(主な作品『景色は続く』)
15:30~ 余白「ZINEって、売れるの?作ってみたら、意外と…」(主な作品『酔う日々』ほか)

●仕事帰りの読書会
開催日:6月5日、12日、19日、26日18:00~20:00
場所:FORUM(6月5日のみ「HAPPY LEMON」での開催)
参加費:無料(当日に課題図書を当店にて購入)
概要:「忙しくて本を読む時間がない」「趣味は読書って言ってみたいけど、何を読んでいいか分からない…」そんな方に、平日の夜2時間、ただただ本を読むだけの場所を提供する。

●何を読んでいいかわからない人のための『書店さんぽ』
開催日:6月8日、15日14:00~15:00
概要:何か本を読んでみたいけど、どんな本が自分に合うのかわからない方に、書店員を15分貸し出しする。

「頁をめくる。」ワークショップ

●自分だけの本をつくろう!~製本キット KURUMI を使って~
開催日:5月31日11:00~16:00
場所:FORUM
参加費:制作キット1320円(税込)
概要:はさみと定規だけでお子様からお年寄りまで、オリジナルの本づくりが楽しめる「製本キットKURUMI」を使って、世界に1冊だけの本をつくる。より本格的な仕様である花布(はなぎれ)、スピン(紐しおり)、スピンチャーム🄬(しおり先端飾り)も用意している。

●台湾補習班Vol.1 台湾華語学習に役立てよう!日台BOOKガイド&オススメ教材シェア会
開催日:6月7日13:00~15:00
場所:FORUM
参加費:550円(税込)
概要:台湾に関するさまざまな情報を、皆さんと一緒に共有する企画「台湾補習班」。今回は、台湾留学経験のあるふたりが、台湾華語学習に役立つ書籍をナビゲートする。

●『空想装丁図書館』企画
展示:「空想装丁図書館展」
期間:5月26日~6月29日

ワークショップ:6月14日11:00~/14:00~
参加費:2500円(税込)
場所:誠品文具POPUPエリア
概要:「空想装丁図書館」は本をこよなく愛するクリエイターたちが、お気に入りの本を自己の想像を駆使して、自由に装丁をデザインして表現する企画である。お気に入りなのに持ち歩くうちに表紙が傷んでしまった本があれば、本に合う表紙の紙を選んで、「空想装丁図書館展」の作家たちと素敵にリメイクできる。

「頁をめくる。」ブックフェア

●ベストブックデザインフェア
期間:5月26日~6月29日
場所:誠品文具POPUPエリア
概要:本は「読む」だけではなく、見る、触れてみる、重みを感じる、など、「モノ」としても価値がある。さまざまな工夫を凝らしてつくられた、1冊の本に込められた思いを感じられる。

●すてきな紙の絵本の世界
期間:5月30日~6月29日
場所:児童書エリア  
概要:ストーリーに合わせて考えられた大きさや形、また、印刷の色味。紙の手触りやページをめくる行為など、すべて含めて「絵本を読む」と言える。紙でしかあじわえないすてきな絵本の世界を案内する。

●池澤夏樹・春菜フェア 
期間:6月2日~6月29日
場所:文芸書エリア  
概要:小説家であり詩人、翻訳家でもある池澤夏樹さんと、作家、声優として活躍し、第20代日本SF作家クラブ会長でもある池澤春菜さん。親子揃って大の本好きでもあるお二人の著書を集めた。

●昭和100年のベストセラー
期間:6月2日~6月29日
場所:市集前特設会場  
概要:天皇陛下の在位によって名称が変わる元号。昭和が続いていれば、2025年は昭和100年にあたる。この100年間にどのような本が流行ったのか、世相とともに振り返ってみる。

●書物復権フェア
期間:5月中旬~7月中旬
場所:ビジネス書エリア  
概要:人文系専門書出版社9社合同による「書物復権」フェアを今年も開催する。一時の流行り廃りではなく、いつまでも残しておきたい名著が読者のリクエストによってよみがえった。

「頁をめくる。」開催概要
期間:5月30日~6月29日
場所:「誠品生活日本橋」 東京都中央区日本橋室町3-2-1 COREDO室町テラス 2階