生活者1万人対象『第8回魅力度ブランディング調査』発表【企業広報戦略研究所調べ】
電通PRコンサルティングの企業広報戦略研究所は、生活者が企業のどのような活動や事実(ファクト)に魅力を感じ、その魅力がどのように伝わっているのかを解析することを目的に、7月、全国1万人を対象とした「第8回 魅力度ブランディング調査」を実施した。
「魅力度ブランディング調査」では、コーポレートブランドを構成する魅力を、「人的魅力」「財務的魅力」「商品的魅力」の3つに分類し、それぞれで重視すべき12項目(計36項目)を定めた「魅力度ブランディングモデル」を活用して企業の“魅力”を分析している。企業広報戦略研究所では2016年から毎年調査を行っており、同リリースでは、20業界200社を対象とした調査結果から、魅力項目ランキング、魅力度の業界別ランキング、魅力を感じた情報源、魅力度と社会課題(ソーシャルイシュー)対応の関係性などについて分析している。
一方、各企業に解決を期待するソーシャルイシューについて聞いたところ、1位「賃上げ」(16.8%)、2位「日本の科学技術力低下」(14.6%)、3位「労働環境の改善」(14.5%)、4位「長時間労働・過労死」(14.4%)となった。コロナ禍に表面化した半導体不足など国産技術の問題やエネルギー問題、生活者の働き方や生活に直結する人的資本にまつわる課題の解決を企業に求めているようだ。生活者の解決優先度の高いソーシャルイシューと、企業に解決を期待するソーシャルイシューは異なる結果となった。【図表1】
図表2は、生活者が「優先して解決・進展すべきと考えているソーシャルイシュー」をY軸、「企業・業界・団体に解決を期待しているソーシャルイシュー」をX軸としたプロット図である。
生活者の解決優先度の高いソーシャルイシューと、企業・業界・団体に解決を期待するソーシャルイシューは異なるが、右上にプロットされるソーシャルイシューほど、生活者の解決優先度が高く、企業に解決を期待する度合いも高くなる。環境関連のソーシャルイシューへの注目度も高くなっているが、「賃上げ」や「長時間労働・過労死」といった生活や働く環境にまつわるイシューは、解決優先度と企業に解決を期待する度合いが、より高いことが分かる。
生活者が思う、各企業が取り組んでいるソーシャルイシューと、その企業の魅力度(魅力総量)の相関を分析したところ、正の相関性があることが明らかになった。
魅力度と最も強い相関性が見られたソーシャルイシューは、「賃上げ」(相関係数:0.86)だった。次いで、「産休・育休制度」(相関係数:0.83)、「労働環境の改善」(相関係数:0.80)となっている。これら3項目は相関係数が0.8を超えており、非常に強い相関があることが伺える。【図表3】
企業の魅力を感じる情報源として、ソーシャルメディアを選択した人に、どのソーシャルメディアで魅力を感じるかを聞くと、1位「YouTube」(46.9%)、2位「X(旧Twitter)」(39.2%)、3位は「Instagram」(31.3%)、4位「LINE」(18.6%)、5位「Facebook」(15.1%)という結果となった。
また、「普段よく利用しているメディア」を聞くと、1位「YouTube」(55.4%)、2位「X(旧Twitter)」(43.7%)、3位「LINE」(38.7%)、 4位「Instagram」(38.6%)、5位「Facebook」(15.8%)という結果となった。ソーシャルメディアで企業の魅力を感じた人のうち、「YouTube」は過半数もの人が普段よく利用していると回答している。企業の魅力を感じる情報源としても半数近くの人が選択しており、企業のブランディングにおいて、動画コンテンツの重要性が高まっていることが考えられる。【図表5】
30代~50代では、企業の魅力を感じる情報源の上位3位はいずれも、「YouTube」「X(旧Twitter)」「Instagram」の順だが、20代は1位が「X(旧Twitter)」となっており、ソーシャルメディアで魅力を感じた人のうち、半数以上の人(57.7%)が「X(旧Twitter)」から企業の魅力を感じていることが分かる。
普段からよく利用されているものでは、40代、50代は「Instagram」よりも「LINE」の方が高くなっているが、企業の魅力を感じる情報源としては「LINE」より「Instagram」の方が上位という結果となった。 60代は唯一「LINE」が企業の魅力を感じる情報源として3位以内にランクインし、「Instagram」や「X(旧Twitter)」よりも影響力が大きい傾向が見受けられる。
この順位は、割合に微増・微減はあるものの、調査開始以来8年連続で変わっていない。企業の3魅力を巡る考え方は、世の中の移り変わりにあまり左右されない不動のものであることがうかがえる。【図表8】
3つの魅力の項目の内訳を見ると、TOP5には5年連続で同じ項目が入っている。さらに、同調査開始以来8年連続で、「ビジョンを掲げ、業界をけん引している」(48.8%)が第1位となった。【図表9】
ビジョンやリーダーシップなどの非財務情報が“魅力ある企業”のカギになることは普遍的である模様。とくに社会・経済環境が急速に変化している昨今、ビジョンやリーダーシップによって結束力を発揮し、持続的な事業成長の実現に挑戦する企業に魅力を感じていることが考えられる。
※20業界(200社)のいずれかに魅力を感じている人(各業界500人)。
調査方法:インターネット調査
期間:7月14日~7月24日
設問内容:魅力を感じる業界、魅力を感じる企業、魅力を感じた要素、魅力を感じた情報源、企業イメージなど
<調査対象企業一覧>
「魅力度ブランディング調査」では、コーポレートブランドを構成する魅力を、「人的魅力」「財務的魅力」「商品的魅力」の3つに分類し、それぞれで重視すべき12項目(計36項目)を定めた「魅力度ブランディングモデル」を活用して企業の“魅力”を分析している。企業広報戦略研究所では2016年から毎年調査を行っており、同リリースでは、20業界200社を対象とした調査結果から、魅力項目ランキング、魅力度の業界別ランキング、魅力を感じた情報源、魅力度と社会課題(ソーシャルイシュー)対応の関係性などについて分析している。
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調査サマリー
- 最も解決優先度の高いソーシャルイシューは「賃上げ」「値上げ」
企業に対しては「労働問題」の解決を期待する傾向 - ソーシャルイシュー対応は企業魅力度と相関する結果に
労働問題に取り組む企業は魅力度が高いことが明らかに - 企業に魅力を感じた情報源:最多は「リアル」、「ソーシャルメディア」のみ前年より増加
ソーシャルメディア1位「YouTube」、20代は過半数が「X(旧Twitter)」を情報源に - 企業に魅力を感じる項目「ビジョンを掲げ、業界をけん引している」
8年連続不動の1位に - 企業魅力度 業界ランキング1位「損保・生保・商社」、2位「食品」、3位「電機」
調査結果
ソーシャルイシューについて、「優先して解決・進展すべき/してほしい項目」について聞いたところ、1位「賃上げ」(34.4%)、2位「物価高騰による食料品の値上げ」(28.1%)、3位「物価高騰による、食料品以外の値上げ」(27.1%)、4位「所得の格差」(25.4%)と、上位を生活に負担を与える、経済的な課題が占める結果となった。昨今の値上げラッシュなどがいかに生活者にとって喫緊の課題であるかが伺える。一方、各企業に解決を期待するソーシャルイシューについて聞いたところ、1位「賃上げ」(16.8%)、2位「日本の科学技術力低下」(14.6%)、3位「労働環境の改善」(14.5%)、4位「長時間労働・過労死」(14.4%)となった。コロナ禍に表面化した半導体不足など国産技術の問題やエネルギー問題、生活者の働き方や生活に直結する人的資本にまつわる課題の解決を企業に求めているようだ。生活者の解決優先度の高いソーシャルイシューと、企業に解決を期待するソーシャルイシューは異なる結果となった。【図表1】
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生活者の解決優先度の高いソーシャルイシューと、企業・業界・団体に解決を期待するソーシャルイシューは異なるが、右上にプロットされるソーシャルイシューほど、生活者の解決優先度が高く、企業に解決を期待する度合いも高くなる。環境関連のソーシャルイシューへの注目度も高くなっているが、「賃上げ」や「長時間労働・過労死」といった生活や働く環境にまつわるイシューは、解決優先度と企業に解決を期待する度合いが、より高いことが分かる。
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魅力度と最も強い相関性が見られたソーシャルイシューは、「賃上げ」(相関係数:0.86)だった。次いで、「産休・育休制度」(相関係数:0.83)、「労働環境の改善」(相関係数:0.80)となっている。これら3項目は相関係数が0.8を超えており、非常に強い相関があることが伺える。【図表3】
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- 企業に魅力を感じた情報源:最多は「リアル」、「ソーシャルメディア」のみ前年より増加
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また、「普段よく利用しているメディア」を聞くと、1位「YouTube」(55.4%)、2位「X(旧Twitter)」(43.7%)、3位「LINE」(38.7%)、 4位「Instagram」(38.6%)、5位「Facebook」(15.8%)という結果となった。ソーシャルメディアで企業の魅力を感じた人のうち、「YouTube」は過半数もの人が普段よく利用していると回答している。企業の魅力を感じる情報源としても半数近くの人が選択しており、企業のブランディングにおいて、動画コンテンツの重要性が高まっていることが考えられる。【図表5】
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- 企業に魅力を感じた情報源:ソーシャルメディア1位「YouTube」、20代は過半数が「X(旧Twitter)」を情報源に
30代~50代では、企業の魅力を感じる情報源の上位3位はいずれも、「YouTube」「X(旧Twitter)」「Instagram」の順だが、20代は1位が「X(旧Twitter)」となっており、ソーシャルメディアで魅力を感じた人のうち、半数以上の人(57.7%)が「X(旧Twitter)」から企業の魅力を感じていることが分かる。
普段からよく利用されているものでは、40代、50代は「Instagram」よりも「LINE」の方が高くなっているが、企業の魅力を感じる情報源としては「LINE」より「Instagram」の方が上位という結果となった。 60代は唯一「LINE」が企業の魅力を感じる情報源として3位以内にランクインし、「Instagram」や「X(旧Twitter)」よりも影響力が大きい傾向が見受けられる。
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- 企業に魅力を感じる項目「ビジョンを掲げ、業界をけん引している」
8年連続不動の1位に
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- 企業魅力度 業界ランキング1位「損保・生保・商社」、2位「食品」、3位「電機」
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調査概要
調査対象:全国の20~69歳の男女 計1万人※20業界(200社)のいずれかに魅力を感じている人(各業界500人)。
調査方法:インターネット調査
期間:7月14日~7月24日
設問内容:魅力を感じる業界、魅力を感じる企業、魅力を感じた要素、魅力を感じた情報源、企業イメージなど
<調査対象企業一覧>
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同リリース上のスコア構成比(%)は小数第2位以下で四捨五入しているため、表において加減の結果が小数第1位で異なる場合や、合計が必ずしも100%にならない場合がある。