野村インベスター・リレーションズは、グループ全体が従業員数301名以上ある大企業の情報システム、IT担当者、Web責任者を対象に、「大企業グループのサイトにおけるセキュリティ・インフラ統合の課題」に関する調査を実施し、体制の見直しや統合での課題に焦点を当てた結果を公表した。

今回の調査結果からは、大企業のIT担当者・Web責任者の多くが、CMS運用のインフラ・体制の見直しが必要だと考えており、「クラウドへのリプレイス」「グループのインフラ統合」「保守のアウトソース」を改善したい意向があるものの、セキュリティや内部統制への意識が高い大企業であっても、いまだに適切な対策を打てていない実態が浮かび上がった。見直しが進んでいない理由としては、『理想的なセキュリティ対策を現実的な費用で実現する難しさ』が最も多く、既存の解決策やサービスが、コストを含めて現実的な解になりえていないことが伺える。

調査結果は以下の通り。

調査結果サマリー

  • 大企業のIT担当者・Web責任者の74.6%が、グループ内のWebサイトやCMSの運用体制の見直しが必要だと感じている。そのうち30.1%が「2年以内に着手」と回答
  • 見直しで実施したいことは『オンプレからクラウドへのリプレイス』が最多。次いで『グループのサーバーインフラの統合』『運用保守・セキュリティアップデートのアウトソース』が続く
  • 『グループのサーバーインフラの統合』の課題で最も多いのは『理想的なセキュリティ対策に対するコスト』。続いて『自社に合ったCMS・パートナーの選定』『現状把握と統合手順の策定』と回答
  • 大企業グループにおけるCMS群のサーバーインフラのクラウド化が進まない要因は、コスト負担が大きいこと

調査結果

●大企業のIT担当者・Web責任者の74.6%が、グループ内のWebサイトやCMSの運用体制の見直しが必要だと感じている。そのうち30.1%が「2年以内に着手」と回答。

はじめに、「現状のグループ内のWebサイトやCMSの運用について、インフラや体制の見直しを行う必要性はあると感じますか?」と質問したところ、『見直しの必要がある(1~2年以内に着手する)(30.1%)』『見直しの必要がある(これから計画する)(42.5%)』『見直しの必要はない(万全な対策を行っているため)(10.3%)』『見直しの必要はない(リスクを許容している)(4.2%)』『わからない(12.9%)』という回答結果になり、見直しの必要があると思う方が7割以上いることが明らかになった。

 

●見直しで実施したいことは『オンプレからクラウドへのリプレイス』が最多。次いで『グループのサーバーインフラの統合』『運用保守・セキュリティアップデートのアウトソース』が続く。

次に、『見直しの必要がある(1~2年以内に着手する)』『見直しの必要がある(これから計画する)』と回答した人に、「見直しを行う上で、可能であれば実施したいと考えている課題への対策を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『オンプレ環境からクラウド環境へのリプレイス(57.6%)』と回答した方が最も多く、次いで『グループのサーバーインフラの統合(一元管理)(46.9%)』『運用保守・セキュリティアップデートのアウトソース(42.7%)』と続き、オンプレ環境からクラウド環境へのリプレイスを実現したい方が半数以上であること、そして、サーバーインフラの統合を実施したいと思う人も多くいることが判明した。

 

●『グループのサーバーインフラの統合』の課題で最も多いのは『理想的なセキュリティ対策に対するコスト』。続いて『自社に合ったCMS・パートナーの選定』『現状把握と統合手順の策定』との結果に
最後に、先程の質問で『グループのサーバーインフラの統合(一元管理)』と回答した人に「グループのサーバーインフラの統合を進めるうえで課題だと思うことは何ですか?」と質問したところ、『理想的なセキュリティ対策を現実的な費用で実装することが難しいこと(40.3%)』と回答した人が最も多く、次いで『自社のスコープに最適なCMS・パートナーの選定が難しいこと(22.5%)』『グループ内のサイト・CMSの状況把握と統合手順の策定が難しいこと(16.2%)』と続いている。とくにセキュリティについては、IT部門における必要な基準を満たすにはコスト負担の大きさが壁となっている現実が浮かび上がった。

調査概要

調査期間:10月6日
調査方法:リンクアンドパートナーズが提供する調査PR「RRP」によるインターネット調査
調査人数:1007人
調査対象:調査回答時にグループ全体が従業員数301名以上ある大企業の情報システム、IT担当者、Web責任者であると回答したモニター
モニター提供元:ゼネラルリサーチ