読売広告社(以下、YOMIKO)は、同社の子会社であるショッパーインサイトが保有する食品ID-POS購買行動データベース「real shopper SM」を活用し、スーパーマーケット利用者における酒税改正前後の購入状況の変化を分析することでその影響を可視化したことを発表した。

集計対象エリアは全国、集計期間は酒税改正前後の60日間 (9月1日~10月30日)とし、酒税改正前30日間と改正後30日間の購入状況の変化から酒税改正の影響がどのように表れたかを分析した。

カテゴリ間の変化では、「新ジャンル」→「ビール」への移行(流出)が約2.6%発生

酒類カテゴリ間の購入状況の変化(流入出)について確認したところ、「新ジャンル」からはほかの酒類に向けて、改正前購入額の6.3%(図1内*1)の金額が移行(流出)した。「新ジャンル」からのカテゴリ間移行(流出)先としてもっとも大きかったのは「ビール」で、改正前購入額の約2.6%(図1内*2)にあたる金額がビールに移行している。
図1 酒類カテゴリ間の移行(流入出)<br />
酒税改正前期間の各カテゴリ平均購入額(表側)に対する流入出量の度合
図1 酒類カテゴリ間の移行(流入出)
酒税改正前期間の各カテゴリ平均購入額(表側)に対する流入出量の度合

「新ジャンル」にマイナス、「日本酒」にプラスの影響がみられる

酒類カテゴリ間の移行(流入出)の割合(縦軸)に加えて、各カテゴリの新規購入と購入中止についての割合(横軸)も加味して分析すると(図2)、「新ジャンル」から他酒類への移行に合わせて購入中止の増加も明らかになった。一方で「日本酒」は、新規購入もほかの酒類からの移行もプラスだったことが判明。これにより、当データでカテゴリ別に見た場合、今回の酒税改正前後の期間では「新ジャンル」にとってマイナス、「日本酒」にとってプラスの影響がそれぞれあったことが確認できた。日本酒がプラスになった理由は季節要因も影響していると考えられる。また、酒類合計で見た場合、横軸において購入中止の増加、つまり購入量の減少が確認できた。
図2 酒類カテゴリ別の買上増減要因の分解
図2 酒類カテゴリ別の買上増減要因の分解