メトロアドエージェンシーは、東京国際大学、太陽工業と「交通広告の価値」を産学共同で研究した。第1弾は「駅の階段広告」を研究対象として、東京メトロ東西線の早稲田駅で調査した。

階段の上は「ブランドイメージ」、下は「帰属意識」を高めるクリエイティブが有効

駅の階段昇降時の感覚・心理に適したクリエイティブ調査を行い、昇りはポジティブな「尊い」概念があり、ブランドイメージを高める広告が効果的だった。一方、ネガティブな「疲れた」「重い」という感覚が広告に影響することもわかった。それらと向き合い「利便性」などを訴求することも有効と考えられる。降りは「近い」「落ち着き」といった感覚があり、帰属意識を高める広告が効果的だった。親しみや安心感があるような表現が有効と考えられる。

東京国際大学のリサーチとプレ調査に基づく複数の提案から、企業側が採用した案で実証。太陽工業の広告は、グローバルな実績写真を活用した「ブランドイメージ」、仕事風景や社員の写真を活用した「帰属意識や親しみを促す」という2種類のクリエイティブで掲出。それぞれ早稲田駅の階段上下に掲出し、駅利用者108人を対象にアンケート調査を行った。
太陽工業が提供した広告(左:ブランドイメージ、右:帰属意識や親しみ)
太陽工業が提供した広告(左:ブランドイメージ、右:帰属意識や親しみ)
地下鉄は階段移動が伴う。スマートフォン利用率が低い動線上の広告で、視認性が高い環境下において、移動者の捉え方次第で広告効果が大きく変わってくるため、他メディア活用のクリエイティブでもキャッチコピー・イラスト/写真に一工夫加えることで、接触深度の高まりが期待できると本研究では考えている。

研究概要
研究主体:東京国際大学
協力:太陽工業・メトロアドエージェンシー
研究期間:2022年9月~継続中