経済産業省は、地域の活性化に向けたアートプロジェクトの手引きとなる「×ART(かけるアート)スタートアップガイドライン」を公表した。
地域の公共空間や遊休区間等を活用して行われるアートプロジェクトは、アートそれ自体が持つ美しさなどの本質的価値や、地域におけるコミュニティの形成といった社会的価値、地域のブランディング向上といった経済的価値など、地域にさまざまな価値をもたらす。さらに、地域における新たな文化創造につながるものであるが、こうしたアートプロジェクトの意義や実施をするためのノウハウなどが十分に広まっておらず、取り組む自治体や事業者などは限られている。

この「×ARTスタートアップガイドライン」は、こうしたアートプロジェクトの意義やノウハウなどを事例も交えながらまとめている。初めてアートプロジェクトを始めようとする、地域や自治体、企業に向けた内容である。

事例やイラストを多く入れ、アートを専門としない方がアートプロジェクトに取り組む手引きとして、親しみやすいものとしている。地域におけるアート活動に必ず登場する「アート」「事業主体」「地域」の3者がどのように関わって「地域の元気」を生み出していくのか、その進め方や役割に焦点を当てて解説している。

<ガイドライン概要>
●地域でのアート事例
プロジェクトの起点となり、アート活動を実現・継続してきた方のインタビューを掲載している。

●×ARTが地域にもたらすさまざまな価値
数値や形として見えづらいアートの持つ多様な価値が、どのように地域の求める効果に変換されているかを整理している。

●アートプロジェクトの進め方
地域でアートプロジェクトを進めていくための具体的な手順を解説した上で、つまずく点の解決ポイントなどを解説している。

●アートをまちに活かすには?
アートを設置する空間によって異なる制度やルールを、道路や河川などの類型に分けて解説している。

●続けるための仕組みづくり
アートと地域との関係を継続的に育て、環境の変化に合わせた新たなアートプロジェクトが実践されていくような循環を生み出すために必要な組織や仕組みについて解説している。