エイベックス・クリエイター・エージェンシーが運営する「WALL_alternative」で、4月5日から20日まで「NEU TRIBALISM」が開催される。

本展示では、1980年代からストリートシーンを牽引し国内外で活躍したアーティストをはじめ、現代のシーンを躍進させる80年代以降生まれのアーティストまで7組がクロスオーバーする。会場となる「WALL_alternative」は英国の建築家ナイジェル・コーツが手掛け、ストリートからハイカルチャーの軌跡を総覧する。

「NEU TRIBALISM」展の見どころ

グローバリズムと情報技術の進化と共に、メディアとコミュニケーションはいかに変容し、生産と消費の流動性を加速化させ、複数の領域を横断するアーティストとその交錯が時代の潮流を生み出してきたのかを体験できる展示となっている。

・90年代にJ TRIP BAR六本木で展示していたタペストリーアートを、約30年ぶりに当時J TRIP BAR WANNA DANCE(西麻布)が営業していた現WALL_alternativeで展示
・伊藤桂司によるSOUNDLESS SLEEVEシリーズ作品を30点以上展示
・BABU、DIEGOによる100号作品の新作展示

90年代に展示していたタペストリーアート
90年代に展示していたタペストリーアート
伊藤桂司によるSOUNDLESS SLEEVEシリーズ
伊藤桂司によるSOUNDLESS SLEEVEシリーズ
併せて、展覧会初日と2日目には、回遊イベント「GAIEN-NISHI ART WEEKEND」の開催に伴いオープニングパーティやパフォーマンス、伊藤桂司氏と鈴木沓子氏による、80年代から90年代のカルチャーシーンや自身のアートワークを振り返るトークセッションを実施する予定である。

出展アーティストプロフィール(50音順)

■∈Y∋氏
ART/音楽/DJを並行して行う。BECK『Midnite Vultures』アルバムジャケット制作、『NANOO』、『WEOEM』、『ONGALOO』出版。2017年札幌国際芸術祭『DOT KAY DOT』、2018年『SADOT CAY DOT』2019年コーン(パイロン)のインスタレーション/ライブ『レコーン』、同年ロスBLUM&POEパレルゴン展参加、2021年PARCO、LEDパネルのインスタレーション/ライブ『LAG-ED』。

■伊藤桂司氏
主に、広告、雑誌、音楽関係などの分野でグラフィック・ワーク、アートディレクション、映像を手掛ける。2001年度東京ADC賞受賞。ロッテルダム映画祭、「Active Wire」、「CLOSE UP of JAPAN展」、「Buzz Club-News from Japan」「四次元を探しに/ダリから現代へ」、「KITTY EX.展」など数々の国内外展示に参加。グラフィックワークでは、テイ・トウワ、キリンジ、木村カエラ、スチャダラパー、THE BAWDIES、PES from RIP SLYME、高野寛、ohana、オレンジペコー、ボニー・ピンク、愛知万博EXPO2005世界公式ポスター、コカコーラ・コーポレイトカレンダー、NHKの番組タイトル&セットデザイン他、活動は多岐に渡る。

■KINJO氏
沖縄にルーツを持ち、日本と関わりの深いアメリカ文化を題材にした絵画や立体、パフォーマンスを発表している。

■DIEGO氏
10代でストリートアートを始める。ヨーロッパを中心に広がる「Toy Grffiti(下手グラフィティ)」の影響を受け、独自の視点で発展させたスタイルのグラフィティを制作している。近年ではSIDE COREの一員として展覧会の企画や作品発表に努め、自身が主催する壁画プログラムにおいても世界各国のアーティストたちの壁画制作をディレクションしている。

■BABU氏
北九州在住のストリートアーティスト、スケートボーダー、現代美術作家。国内外各地に赴き、多数のストリートアートを制作する一方、ストリートカルチャーをベースにした、映像制作、絵画、ドローイング、彫刻作品、タトゥーなどの作品を制作している。スケートボード、廃材、ゴミ、捨てられた絵画などをコラージュし、作品や映像作品に使用。近年では、現代美術のフィールドでも活躍しており、「Reborn-Art Festival」「VOCA展2018」「YES NO」他、GALLERY SOAPでの複数の展覧会や、B GALLERY、ワタリウム美術館、東京藝術大学、北九州市立美術館、熊本市現代美術館などでも作品を発表。

■BIKO氏&KENNY氏
東京/バンクーバーを拠点に、教育、絵画、素描、陶芸、彫刻、リソグラフィー、シルクスクリーン、メディアアート、ジン、コラージュ、インスタレーション、ソーシャルアートなど多様な表現ツールを用いて社会を取り巻く問題を発信し続ける新人若者アーティスト。そして、現代社会に疑問を持たせる作品や、人種、宗教、ジェンダー、体の多様性に関心を持った作品を制作。

■日比野克彦氏
東京藝術大学に在学していた80年代前半より作家活動を開始し、社会メディアとアート活動を融合する表現領域の拡大に大きな注目が集まる。その後はシドニー・ビエンナーレ、ヴェネチア・ビエンナーレにも参加するなど、国内外で個展・グループ展、領域を横断する活動を展開。また地域の場の特性を生かしたワークショップ、アートプロジェクトを継続的に発信。現在、岐阜県美術館、熊本市現代美術館にて館長、母校である東京藝術大学にて1995年から教育研究活動、2022年から学長を務め、芸術未来研究場を立ち上げ、現代におけるアートのさらなる可能性を追求し、企業、自治体との連携なども積極的に行い、研究実践を続ける。

展示概要
会期:4月5日~20日 18~24時
会場・主催:WALL_alternative
企画:HARUKAITO by ISLAND+WALL_alternative
企画協力:松下徹
テキスト:鈴木沓子
助成:アーツカウンシル東京