日本のDL数トップは「TikTok」に アジア・中東地域のSNSアプリ市場インサイト【Sensor Tower調べ】
Sensor Towerは、近年のSNSアプリダウンロード数およびIAP(アプリ内購入)収益の推移、人気SNSアプリの収益実績、2024年の中国、日本、韓国、中東における人気SNSアプリのランキングを分析し、ケーススタディとして「TikTok」の世界的に顕著な実績およびペルソナを紹介するレポート「SNSアプリ市場インサイト(※1)」を発表した。
本レポートの背景にあるのは、ショート動画の流行およびマネタイズモデルの随時更新に伴い、SNSアプリの収益が世界的に増加し続けている現状である。2024年第1四半期にSNSアプリの世界合計IAP収益が45億ドルに達しており、前年同期から19%増加で、過去最高を更新となっている。
本レポートの詳細は以下の通り。
2024年度第1四半期財務諸表によると、Snapchatのサブスクリプション版サービス「Snapchat+」の会員数が前年同期から2倍増えて900万人を超えた。また、ショート動画サービス「Spotlight」の視聴時間も前年同期から125%増加したことによって、「Snapchat」のIAP収益が前年同期から157%増加している。「Instagram」においても、サブスクリプション会員数の増加が収益の大幅成長を後押ししており、収益が230%増加している。
ビジネス特化型SNSアプリ「BOSS直聘」は、法人ユーザーの増加に伴ってIAP収益を44%増加させている。第1四半期財務諸表によると、BOSS直聘の当期売上高は前年同期から33%増加している。
「Bluesky」は、招待制を廃止して一般に公開した後、日本におけるダウンロード数が急増。この結果、2024年1月から5月までの間に、日本でダウンロード数が最も増加したSNSアプリになっている。
また、S.M. Entertainmentがリリースする2つのアイドル推し活アプリ「Lysn」と「bubble with STARS」が収益ランキングでトップ10に入っている。中でも「Lysn」の世界累計収益は1.3億ドルに達し、そのうち韓国が34%、中国が27%の収益シェアを占めている。
同社のAudience InsightsのAudience Insightsのデータによると、「TikTok」は比較的若年層に支持されており、第1四半期のアメリカにおける2000年以降生まれのユーザーの割合は36%であり、「Facebook」の14%より著しく高くなっている。「TikTok」のペルソナは、デジタルソーシャライト(SNSでアクティブな人たち)、ファッショニスタ(オンラインで洋服やアクセサリーを購入する人たち)、柔軟な支払い者(支払いを遅らせたり分割したりする人たち)が中心であり、若年ユーザーに好まれていることがわかる。
※1:本レポートではアプリストアにおける収益のIAP推定値のみを集計しており、広告収入および中国本土におけるサードパーティのAndroidマーケットでの収益は含まれていない。
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本レポートの詳細は以下の通り。
SNSアプリ世界合計IAP収益が過去最高を更新
世界全体のダウンロード数の伸びが鈍化する中でも、SNSアプリはIAP収益を増加させ続けている。2024年第1四半期のIAP収益は、前年同期比19%増の45億ドルとなり、過去最高を更新している。2023年第2四半期から第1四半期までの1年間で見ても、前年度から20%成長して170億ドルに迫っている。
人気SNSアプリのマネタイズモデルの効果が際立つ
「TikTok」は、ライブ配信サービスにおける投げ銭が収益に大きく貢献したことを受け、2024年1月から5月までのIAP収益が前年同期から26%増加して20億ドルを突破し、SNSアプリ市場で首位を独走している。2024年度第1四半期財務諸表によると、Snapchatのサブスクリプション版サービス「Snapchat+」の会員数が前年同期から2倍増えて900万人を超えた。また、ショート動画サービス「Spotlight」の視聴時間も前年同期から125%増加したことによって、「Snapchat」のIAP収益が前年同期から157%増加している。「Instagram」においても、サブスクリプション会員数の増加が収益の大幅成長を後押ししており、収益が230%増加している。
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「快手」が中国(iOS)におけるSNSアプリ収益成長ランキングでトップに
ショートドラマサービスをリリースしたことによって、「快手」の多元的な収益力が著しく高まっている。「2023年快手ショートドラマデータ価値レポート」によると、2023年に快手の有料ショートドラマユーザーの数が5倍以上増加し、中国(iOS)における1月から5月までのSNSアプリ収益ランキングで「快手」がトップになった。ビジネス特化型SNSアプリ「BOSS直聘」は、法人ユーザーの増加に伴ってIAP収益を44%増加させている。第1四半期財務諸表によると、BOSS直聘の当期売上高は前年同期から33%増加している。
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「TikTok」は日本におけるSNSアプリダウンロード数ランキングでトップ
「TikTok Lite」は2023年6月に日本でリリースされるやいなやダウンロード数が急増。これに伴って「TikTok」全体のダウンロード数も前年同期から120%増加し、日本におけるSNSアプリダウンロード数ランキングでトップになっている。「Bluesky」は、招待制を廃止して一般に公開した後、日本におけるダウンロード数が急増。この結果、2024年1月から5月までの間に、日本でダウンロード数が最も増加したSNSアプリになっている。
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「YouTube」は韓国において最も収益が多いSNSアプリの座をキープ
クリエイターの流入とユーザーの増加に伴い、近年「YouTube」が世界的にIAP収益を増加させ続けているが、韓国においても例外ではない。2024年第1四半期の韓国における「YouTube」のIAP収益は、2019年第1四半期の約10倍の3200万ドルに迫り、韓国におけるSNSアプリ収益ランキングでトップを維持している。また、S.M. Entertainmentがリリースする2つのアイドル推し活アプリ「Lysn」と「bubble with STARS」が収益ランキングでトップ10に入っている。中でも「Lysn」の世界累計収益は1.3億ドルに達し、そのうち韓国が34%、中国が27%の収益シェアを占めている。
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「TikTok」の世界累計IAP収益が140億ドルを突破
同社のデータによると、5月現在、“ショート動画・ライブ配信ハイブリッド”アプリ「TikTok」の世界累計IAP収益は、140億ドルを超え、世界で収益が最も多い非ゲームアプリになっている。それと同時に「TikTok」の収益は増加し続けており、3月の収益は4.5億ドルに達し、過去最高を更新している。
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