7月22日~8月24日の期間中、DNP文化振興財団はギンザ・グラフィック・ギャラリーで、特別展「2024 JAGDA 亀倉雄策賞・新人賞展」を開催する。

本展では、日本グラフィックデザイン協会(以下JAGDA)が毎年発行する年鑑『Graphic Design in Japan 2024』出品作品の中から、「亀倉雄策賞」と「JAGDA新人賞」を受賞した4名による作品が展示される。
JAGDAは、1978年に設立した、約3000名の会員を擁するアジア最大規模のデザイン団体である。「亀倉雄策賞」は、年鑑の中から最も優れた作品とその制作者に対して贈られる賞。「JAGDA新人賞」は、今後の活躍が期待される、39歳以下の有望なグラフィックデザイナーに授与される賞である。

今回は、「亀倉雄策賞」に北川一成氏が、「JAGDA新人賞」に、新人賞対象者139名の中から岡﨑真理子氏・坂本俊太氏・山口崇多氏の3名が選ばれた。

本展では、ギャラリー1階で「亀倉雄策賞」を受賞した北川一成氏による「KAMIZU(かみず)」に登場する“八百万の神さまのつかい”が来場者を出迎える。地階では、「JAGDA新人賞」受賞者による三名三様のバラエティに富む世界を繰り広げる。

各受賞作品、受賞者の詳細は以下の通り。

第26回亀倉雄策賞

北川一成氏/アートプロジェクトのデザイン「KAMIZU」ヤオヨロズヤ
北川一成氏/アートプロジェクトのデザイン「KAMIZU」ヤオヨロズヤ
受賞作品:「KAMIZU」
受賞者:北川一成氏
講評:「アートプロジェクトのデザイン『KAMIZU』は、八百万の神などをモチーフとしたさまざまなキャラクターによる各種アイテムやイベント展開などを通じて、日本文化の持つ精神性や価値、思想などを広く伝えていくアートプロジェクトです。京都、神戸、東京を中心に、神社や老舗などとのコラボレーションを通じ、さまざまな展開を行っています。独特のデザインで1990年代から後進デザイナーに多くの影響を与えてきた北川氏による、常識を覆すディレクションと突出した造形力が高く評価されました。」

【プロフィール 北川一成氏】
GRAPH代表。1987年筑波大学卒業。あらゆる領域におけるビジュアルデザインはもちろん、ビジネスやコミュニケーションのあり方までを設計するブランディングを多数手掛ける。経営資源となりうる強度のあるデザインと、売上目標達成や企業イメージ向上などの成果をもたらすアイデアが、多くの企業経営者の支持を得る。近年の実績に「アイフル」「ハナマルキ醸造 麹 研究室」「本家西尾八ッ橋」など。AGI(国際グラフィック連盟)会員。ADC賞、TDC賞、JAGDA新人賞ほか受賞多数。NY ADC賞、D&AD賞をはじめ、国内外の審査員を歴任。テレビ出演にNHK「ビジネス新伝説 ルソンの壺」、テレビ東京「カンブリア宮殿」など。

JAGDA新人賞2024

■岡﨑真理子氏
【プロフィール】
1984年生まれ。東京都出身。慶應義塾大学卒業後、オランダ・アムステルダムのGerrit Rietveld Academieでグラフィックデザインを学ぶ。実務経験を経て2018年よりフリー。2022年REFLECTA設立。現代美術をはじめとした文化領域に深くコミットし、観察とコンセプチュアルな思考に基づいた編集的/構造的なデザインを探求している。
岡﨑真理子氏/芸術祭の総合デザイン「横浜トリエンナーレ」横浜トリエンナーレ実行委員会
岡﨑真理子氏/芸術祭の総合デザイン「横浜トリエンナーレ」横浜トリエンナーレ実行委員会
岡﨑真理子氏/アートイベントの総合デザイン「EASTEAST_TOKYO 2023」イーストイースト
岡﨑真理子氏/アートイベントの総合デザイン「EASTEAST_TOKYO 2023」イーストイースト
■坂本俊太氏
【プロフィール】

1993年生まれ。大阪府出身。2017年武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。同年博報堂入社。現在hakuhodo DXD所属。2020年より、クリエイターズクラブ「NEW」を運営。2023年JAGDA賞受賞(デジタルメディア)。
坂本俊太氏/紙製品専門店のポスター「SUPER PAPER MARKET」福永紙工
坂本俊太氏/紙製品専門店のポスター「SUPER PAPER MARKET」福永紙工
坂本俊太氏/グラフィック作成アプリケーション「脳波書」博報堂
坂本俊太氏/グラフィック作成アプリケーション「脳波書」博報堂
■山口崇多氏
【プロフィール】
1988年東京都生まれ。福岡県育ち。2016年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。10(テン)を経て、2021年にcollé設立。
山口崇多氏/宿泊施設のブランディング「くろしお想」フリーゲート白浜
山口崇多氏/宿泊施設のブランディング「くろしお想」フリーゲート白浜
山口崇多氏/デザインイベント出品作品「きさくな思いと無関心な顔」フィーチャードプロジェクツ
山口崇多氏/デザインイベント出品作品「きさくな思いと無関心な顔」フィーチャードプロジェクツ
また、同時期に「日本のグラフィックデザイン2024」が、東京ミッドタウン・デザインハブで開催される。年鑑『Graphic Design in Japan 2024』の掲載作品の中から約300点を実物と映像で展示する予定である。

開催概要
特別展「2024 JAGDA 亀倉雄策賞・新人賞展」
会期:2024年7月22日~8月24日 11:00~19:00
会場:ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)(東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル)
休館日:日曜・祝日
入館料:無料