博報堂は、2012年より開始した「博報堂こそだて家族研究所(以下、こそだて家族研究所)」を、従来の調査研究活動に加えて対話を通じた共創型組織へとリニューアルしたことを発表した。併せて、子育て中の親同士の対話を促す企業・自治体向けオリジナルワークショップ「こそだて対話」の提供を開始する。

「博報堂こそだて家族研究所」リニューアルの目的

こそだて家族研究所は、前身のBaBUプロジェクトが発足した1996年以後、約30年に渡りこそだて家族に関する研究を続けている社内プロジェクトである。妊娠期から小学生の子どもを持つ家族に関する専門知識を元に調査研究活動を行い、博報堂の生活者発想を推進してきた。

近年、ますます進行する少子化を背景に、子ども1人に対する教育投資の増加や情報化社会の加速による子育ての選択肢の多様化により、何がベストかに悩む母親、父親が増えていると考えられる。こそだて家族研究所はこのような悩みに寄り添う必要があるとして、従来からの調査研究活動に加え、さまざまな主体が対話をして問題意識を掘り下げ、課題解決に向けて議論できる共創型組織へのリニューアルを決定した。

新たな活動スローガンは「かぞくの答えを、みんなで見つける。」である。活動の第1弾として、オリジナルワークショップ「こそだて対話」を開発した。

オリジナルワークショップ「こそだて対話」

「こそだて対話」は、親自身の育ってきた環境を振り返りながら、新しい子育ての選択肢に触れ、親子で本当に目指したい姿を探索する、子育て中の親同士の対話型ワークショップ研修である。

先の見えない世の中で、子育ての形も一元的な正解はなくなってきている。一方で、親の世代にはなかった選択肢も広がっていると、同研究所は考える。対話を通じて暗黙の前提に気づき、新たな視点を手に入れ、親子にとって幸せな選択とは何かを見つめ直す機会になることを意図して、考案された。
「こそだて対話」の概要
「こそだて対話」の概要
「こそだて対話」の特徴
「こそだて対話」の特徴
このワークショップの実施を通じて、組織にとっては以下2つのメリットが得られる。
・育休中/育休明けの従業員や職員にとって今後の育児指針について深く考えるきっかけを提供することで、組織への帰属意識や満足度が向上する 
・育休中/育休明けの従業員や職員が組織に対して求める本音を引き出すことができる 

親子にとって幸せな選択肢を見つけるだけでなく、組織全体の働きやすさを向上させるための手がかりとして、企業や自治体、教育機関における研修に活用してほしいと、同研究所では伝えている。

直近の活動予定として、こそだて家族研究所は、博報堂Webマガジン「センタードット」において、教育・子育てに関する新しい取り組みを実践している有識者との対談コンテンツを配信予定である。「こそだて家族を解放する、幸せな新視点」をテーマに、特定の考えに凝り固まらず、自由な発想で子育てに臨むという考え方を、2024年8月から全6回にわたって発信する。

■プロジェクトステートメント(博報堂こそだて家族研究所による)
子育てに正解はなく、選択肢は無数にある。
幸せに決まった形はなく、 だからこそ、親たちは迷ってしまう。
子供たちのために何ができるのか、何をすべきなのか、親である私たちは模索する。
幸せの基準を自分たちで決めなきゃいけない、その責任がちょっと重い時代です。
せめて、親たちのその模索を、孤独なものにしたくない。
そう考える仲間が集まって、 博報堂「こそだて家族研究所」が、新しくなりました。
自分一人じゃたどり着けない答えに、ここを通れば、たどり着ける。
こそだて家族が、自分たちのための前向きで幸せな答えを見つけられる場所にしていきたいと思います。
ちょっと近しいことを考えたら、ぜひ、お気軽にお立ち寄りください。

■活動概要
主な研究領域:こそだて家族を対象としたマーケティング&コミュニケーション
主な研究対象:「小学生の子を持つファミリー」を中心に、マタニティから大学生の⼦を持つファミリーまで
主な活動内容:調査研究・発信/プロジェクト参画・提言/対話の機会提供
プロジェクトメンバー:クリエイター、ストラテジックプラナー、メディアプラナーなど、多様なスキルを持つスタッフが参画。子を持つ親を中心に、独身メンバーも一部在籍。