博報堂など博報堂DYグループ4社横断の、動画を使ったマーケティング効果の最大化を目指すプロジェクト「hakuhodo.movie(ハクホウドウ・ドット・ムービー)」は、「動画生活者®統合調査2019」を実施した。

動画の視聴デバイスが多様化している現在、本調査では「テレビ視聴」「ネット視聴」の2つの視聴行動に着目し、視聴に費やす時間の異なるグループにおける視聴実態の違い、情報や消費に対する意識差を分析。

ネットでの動画視聴は1日に1時間~1時間半がボリュームゾーン

テレビでの動画視聴者は全体の94.7%で、視聴時間のボリュームゾーンは「2時間~3時間」(19.5%)だったが、「5時間以上」も16.2%とヘビーユーザーも多く存在することがわかった。一方、ネットでの動画視聴者は全体の69.2%で、視聴時間のボリュームゾーンは「1時間~1時間半」(11.5%)だった。単純比較ではテレビ視聴の方が長いものの、ネット視聴においても相応の時間を費やしている実態が明らかとなった。
また、ネット視聴のピークタイムは「21~23時」(47.2%)だった。一方、テレビ視聴のピークタイムは「19~21時」(64.7%)で、そのピークを維持した「21~23時」においても視聴時間はネットより長い傾向(58.8%)にあった。それ以降、「23時~翌5時」の深夜帯においてはネット視聴時間はテレビ視聴時間と拮抗しているという結果となった。

テレビ/ネット視聴時間の長短で分類したグループ間では、ネット視聴の実態に大きな差

本調査では、テレビ動画およびネット動画の視聴時間の分布を踏まえ、テレビ視聴については3時間/日、ネット視聴については1時間/日を境に区分し、
「テレビ視聴メイン層(テレビ視聴3時間/日以上、ネット視聴1時間/日未満)」
「ネット視聴メイン層(テレビ視聴3時間/日未満、ネット視聴1時間/日以上)」
「テレビもネットも層(テレビ視聴3時間/日以上、ネット視聴1時間/日以上)」
「どちらもあんまり層(テレビ視聴3時間/日未満、ネット視聴1時間/日未満)」
の4グループを規定。ボリュームを反映した性年代出現比率でウェイトバック集計を行ったうえで、視聴実態の傾向を分析した。それぞれのグループには特徴があり、ネット視聴に対する向き合いにも違う傾向が見られた。

「ネット視聴メイン層」「テレビもネットも層」のネット動画視聴後の消費行動は6割超、消費行動に対してもアクティブ

「テレビ視聴メイン層」は買い物好きだが、流行には左右されない傾向。「ネット視聴メイン層」は新しいものや他人とは違うものが好きで、口コミ情報を意識する傾向。「テレビもネットも層」は買い物好きで、あらゆる情報に感度が高い傾向というように、消費に対する意識に差が見られた。

ネット動画視聴後に「コメントを書いた」や「動画内の商品について調べた」など、何らかの視聴後行動をしたのは全体で57.5%。「テレビ視聴メイン層」では52.1%と平均より低かった一方、「テレビもネットも層」では61.6%、「ネット視聴メイン層」では66.3%と高く、消費行動に対してアクティブであることがわかった。
hakuhodo.movieは、「動画生活者®統合調査」に基づいた、テレビCM、ネット動画広告、屋外動画広告などを統合的に組み合わせる「動画統合ソリューション」により、企業のマーケティング活動を支援していく考えだ。