国際NGOプラン・インターナショナルは、「女の子の権利」や「女の子のエンパワーメント」の促進を広く国際社会に呼びかける10月11日の国際ガールズ・デーにあわせて、広告でのジェンダー(社会的性別)の描かれ方に関する意識調査を実施した。

本調査は、2019年「Girl’s Leadership (ガールズ・リーダーシップ)女の子が変える未来」の一環として実施されたもので、身近な広告でジェンダーがどのように描かれているか、ユース(15歳~24歳の若者)が広告からどのような影響を受けているかを、プラン・ユースグループのメンバーが主体となって調査を行った。

41.8%が広告に不快感・違和感をもったことがあると回答

「いい意味で印象に残っている広告がある」と答えた人は30.2%だったのに対し、「不快感・違和感をもった広告がある」と答えた人は41.8%だった。不快感・違和感をもった理由に関しては「ジェンダーの固定観念の助長」が最多の回答となった。
出典:「広告でのジェンダー描写に関するユースの意識調査」プラン・インターナショナル
出典:「広告でのジェンダー描写に関するユースの意識調査」プラン・インターナショナル

理想の容姿は“個性”が大事

理想の容姿として「個性を大事にしている」が女性では1位に、男性では2位となった。一方、広告における人物の容姿について「個性を大事にしている」と回答した女性は7.0%、男性は8.1%に留まった。ユースは、広告が描く画一的な「男性らしさ」、「女性らしさ」ではなく、「個性」を大事にしている人が理想的と考えていることがうかがえる結果となった。
出典:「広告でのジェンダー描写に関するユースの意識調査」プラン・インターナショナル
出典:「広告でのジェンダー描写に関するユースの意識調査」プラン・インターナショナル

ユースはジェンダーの固定概念を打ち破るような広告表現を期待

「ジェンダーの固定観念を変えるような広告を見たことがあるか」という質問に対して、70.1%が「いいえ」と回答。「『女性らしさ』『男性らしさ』といった固定観念を助長するのではなく、ジェンダーの固定観念を打ち破る広告が、日本において増えてほしい」というコメントがユースから寄せられた。「ジェンダーの固定観念を変える広告を見たことがある」という人が挙げた広告の多くは、男性が家事・育児をしているもので、海外企業の広告を挙げたユースもいた。
出典:「広告でのジェンダー描写に関するユースの意識調査」プラン・インターナショナル
出典:「広告でのジェンダー描写に関するユースの意識調査」プラン・インターナショナル
なお、本調査は、プラン・ユースグループのメンバーが2019年9月の1カ月間、全国の同世代のユース(15歳~24歳の392名)に向けてインターネットで行った。調査に先立ち、ユースグループのメンバーは広告に関して専門家からトレーニングを受け、広告に関する知識を身に付けた。調査の目的や質問項目を検討し、意識調査の結果を分析、それを元に、「ジェンダーに配慮した広告にするためのチェックリスト」をユースの視点で日本アドバタイザーズ協会ダイバーシティ委員会へ提言。調査を実施した結果、ユースが身近に目にしている広告からどのような影響を受けているかが明らかになり、さらに、ジェンダーに配慮した広告をつくるためのユースならでは視点が明らかとなった。