アクセンチュアは最新調査「AI: Built to Scale」の調査レポートを発表した。

同レポートは、企業のAI導入について、日本を含む世界12カ国16業界にわたる企業の経営幹部1500人への調査をもとに、アクセンチュア ストラテジーとアクセンチュア アプライド・インテリジェンスが共同で作成したもの。

今回の調査からは、日本企業の経営幹部の77%(グローバル全体では75%)が、人工知能(AI)をビジネス全体に積極的に導入しなければ、2025年までに著しく業績が低下するリスクがあると考えていることが明らかになった。しかしながら、AI機能を本格的に備えた組織の構築を実現している企業はわずか16%に留まっている。

アクセンチュアは、これらのAIの本格導入に成功したトップ企業の特長として、強固なデータ基盤、複数の専任AIチームの存在、経営幹部による戦略的かつ本格的なAI導入に対するコミットメントの3要素を挙げている。

アクセンチュア ストラテジーのマネジング・ディレクターであるアテナ・ライリは「データ、戦略、人材という基本事項から着手することが重要」と語る。

また、アクセンチュア アプライド・インテリジェンスの最高アナリティクス責任者兼グローバル・リードであるアシーナ・カニョーラ博士は、AIの導入が進むトップ企業の特徴として、“意図的にAIを活用していること”“適切な人材を集めていること”の2点を挙げている。そして、同氏は「分野横断型のチームを組織全体で戦略的に組み込むことが、AI導入による価値を最大化することにつながっている」と分析している。

なお、同調査はAI機能を本格的に備えた組織の構築を実現している企業は、その他の企業と比べてAI投資から3倍近い投資対効果を得ていることも明らかにしている。これらの企業は、他企業と比べて2倍近くの実証実験を実施し、はるかに早いペースでAIの本格導入を進めているものの、AIへの注力が必ずしも支出拡大につながっておらず、実証実験や本格導入におけるAIへの投資レベルが低いのが特徴だ。

アクセンチュア ストラテジーのシニア マネジング・ディレクターであるグレッグ・ダグラスは「経営幹部が初期からAI戦略に携わり、AIによる事業部門やビジネスプロセスの変革を奨励することで、企業はAIから最大の価値を引き出せるようになる」と述べている。