ブランド総合研究所は、全国の政令指定都市、中核市、県庁所在市の83市を対象とした市民目線による悩みや社会の課題、幸福度や定住意欲度などに関する地域の持続性を明らかにする「市版SDGs調査2020」を実施した。

この調査では、市民の生活についての評価指標である「幸福度」および生活の「満足度」、社会や居住市に対しての持続性につながる指標である「愛着度」と「定住意欲度」の計4つの指標の平均点を、総合指標である「SDGs指数」として算出している。

総合1位は埼玉県川越市、幸福度でも首位に

83市のうち最もSDGs指数が高かったのは、川越市。同市は幸福度も全国1位で、満足度は4位、愛着度10位、定住意欲度13位と4つの指標の評価がいずれも高くなっている。2位は金沢市で、同市も4指標ともに10位以内と高い評価を得た。また、3位の西宮市、4位の明石市に続き、神戸市も8位にランクインするなど、兵庫県の市が上位に名を連ねている。5位には福岡市、豊橋市、札幌市が並んだ。

平均で64%が「幸せ」と回答。満足度のトップは愛知県豊橋市

幸福度ランキングでも1位となった川越市では、4割近い39.1%が「とても幸せ」と感じていることがわかった。次いで佐世保市、豊橋市、熊本市、姫路市と続き、中部地方では福井市が6位、岐阜市が8位、金沢市が10位となっている。83市平均では26.7%が「とても幸せ」、37.3%が「少し幸せ」と回答するなど、計64.0%が「幸せ」と回答。以下は、これらの回答を加重平均して算出した「幸福度」のランキング。
(左)幸福度ランキング (右)生活満足度ランキング
(左)幸福度ランキング (右)生活満足度ランキング
また、生活満足度が最も高かったのは豊橋市で、22.8%が「とても満足」と答えている。一方、「とても満足」が6%以下の市が3市あるなど、結果の差が大きくなった。

愛着度・定住意欲度は福岡市が1位、8割以上が愛着を感じる

愛着度が最も高かったのは福岡市では、半数の50.0%が「とても愛着がある」と答えるなど、83.5%が愛着があるという結果になった。僅差で札幌市と金沢市、そして神戸市、京都市と続いており、いずれも人口が多く、観光面でも人気の高い市となっている。定住意欲度でも1位は福岡市。53.2%が「ぜひ住み続けたい」と回答するなど、83.0%に定住意欲があるという結果に。2位以下では神戸市、札幌市、金沢市と愛着度の上位の市が占めた。なかでも、高槻市が5位、明石市が6位、西宮市が7位と近畿の中核市が並んでいる。一方で、「移住したい」と答えたのは83市平均で12.8%で、20代では16.6%、30代では13.0%となった。
(左)愛着度ランキング (右)定住意欲度ランキング
(左)愛着度ランキング (右)定住意欲度ランキング