金沢工業大学のクラスター研究室により開発された日本初のVR型チェアスキー・シミュレータが、第21回バリアフリー社会推進賞 福祉用具部門 最優秀賞を受賞した。

バリアフリー社会推進賞は、石川県において先駆的、模範的なバリアフリー社会づくりへの取り組みや活動を行っている個人や団体を「施設部門」「活動部門」「福祉用具部門」のそれぞれの部門において表彰しているもので、金沢工業大学における最優秀賞受賞は今回が初めて。
最優秀賞を受賞したVR型チェアスキー・シミュレータ
最優秀賞を受賞したVR型チェアスキー・シミュレータ
VR型チェアスキー・シミュレータは、障がい者スポーツの普及に貢献するため、同大学のロボティクス学科と機械工学科の学生4人が製作。2019年2月に行われたプロジェクトデザインIII公開発表審査会(卒業研究発表会)にて発表された。

開発されたチェアスキー・シミュレータは、チェアスキーコントローラと斜面再現装置から構成されている。ヘッドマウントディスプレイを装着してシートに座り、左右の体の傾きにあわせて仮想空間上の雪原で旋回できるほか、仮想空間の斜面に同期して実空間の斜面再現装置も傾斜するため、より臨場感が味わえる。
仮想空間と実空間が同期。誰もが臨場感あふれるチェアスキーを楽しめる。
仮想空間と実空間が同期。誰もが臨場感あふれるチェアスキーを楽しめる。
チェアスキーは導入コストが大きく、また環境に左右されやすいため、普及が進まず、競技人口が増えていないという課題がある。今回開発されたシミュレータは、季節や環境に左右されず、誰もがチェアスキーを楽しむことができる。また、各種の展示会や「パラスポーツを体験しよう」などのイベントにおいて展示発表を行い、多くの人たちに体験してもらったことも評価され、今回の受賞につながった。