ウィズコロナ期に入った現在もなお、慣れない在宅勤務やテレワークを続ける企業は多くある。Empowered JAPAN実行委員会は、そのような状況下で、首都圏で働くビジネスパーソン1,000名と地方の中小企業の経営者300名を対象にそれぞれ在宅勤務・テレワークに対する意識調査を実施。その結果、「新しい生活様式」に対面したからこそ見えた働き方意識の変化と、企業の人材登用の未来図がうかがえた。

■首都圏のビジネスパーソンの在宅勤務・テレワークに対する意識調査

首都圏で在宅勤務中のビジネスパーソン1,000名に在宅勤務のメリットを聞いたところ、多くの人が「通勤・移動負荷の軽減」や「仕事のストレスの減少」にメリットを感じていることがわかった。また、1,000人のうちの91.6%は慣れを実感し、85.8%は継続を望んでいることもわかっている。
さらに、「あなたは、『新しい生活様式』(withコロナ)の影響で、故郷や地方への転職・移住に関して以前よりも前向きに考えるようになりましたか。」と質問をしてみたところ、約半数が前向きに考えるようになったと回答。特に、20代(n=250)では60.0%、30代(n=250)では58.0%がポジティブな回答をし、働き盛り世代の地方への転職・移住意欲はこの環境下で高まりをみせていることが明らかとなった。
そこで、「首都圏に住みながら地方の企業でテレワーカーとして働く」可能性についても聞いてみたところ、6割以上の人が興味を持っていた。特に、20代のビジネスパーソン(n=250)では72.0%以上が興味を示しており、地方企業の人材登用手段の可能性が広がりに期待を持てる結果と言える。

■地方の中小企業経営者の在宅勤務・テレワークに対する意識調査

首都圏のビジネスパーソンが地方企業でのテレワーク採用に興味を示す一方、実際に地方の中小企業経営者はそのような人材登用方法に関してどのような考えを持っているのか。在宅勤務を実施したことがある経営者(n=101)に対し、「もし、都心部在住の優秀な人材をインターンのように試験的に『テレワーカー採用』をできるとしたら、実施してみたいと思いますか。」という質問をしたところ、6割の経営者が「興味がある」と回答している。
また、採用面の未来予測に関しても質問したところ、今後「Iターン・Uターン就職が多くなると考えている」と回答した経営者が多い。約7割の経営者が、「これからの働き方は変わると思うか」という質問にポジティブな回答をしており、今までに無い働き方の変化の兆しを感じている。
そこで、将来的なビジネス環境の変化について質問をしたところ、「オフィスが縮小する(50.7%)」、「サテライトオフィスやシェアオフィス、コワーキングスペースなど働く場所の多様化が進む(47.8%)」という回答も得られた。首都圏のビジネスパーソンはほぼ全員が在宅勤務に慣れを感じ始め、経営者も変化の兆しを予測している状況で、環境さえ整えば、「都心に住みながら地方企業で働く」未来はすぐに訪れる可能性があると考えられる。
その一方で、「会社がテレワークを導入・実施するにあたり、自治体に対して要望があるか」という質問をしたところ、最も求めることは「ネットワーク・システム環境整備のための助成(46.1%)」という結果となった。中小規模の企業ではそもそも設備投資の面で在宅勤務やテレワークの導入・実施が難しい可能性もあり、この点が一つの重要な課題であるとEmpowered JAPANは言及している。