時代の流れとともに“絶滅してしまうかもしれない、地元に愛されてきた絶品グルメを「絶メシ」として紹介する、群馬県高崎市のローカルグルメサイト『絶メシリスト』。これは、博報堂ケトルが2017年に企画・プロデュースした高崎市の地域再生プロジェクトだ。まちの古い個人飲食店にもう1度光を当てることで、地方都市が抱える「飲食店廃業問題」へのこれまでにない試みとして話題を集め、国内外の広告賞を多数受賞。

2017年の立ち上げ後、「絶メシリスト柳川」(福岡県)、「絶メシリスト石川」(石川県)など各地域にも広がり、書籍化、さらに今年1月にはテレビ東京にて「絶メシロード」として連続ドラマ化も実現した。

そんな「絶メシ」支援を目的としたお店「烏森 絶メシ食堂」が、7月14日に東京・新橋にオープンする。
本店は、食を通したまちづくりプロデュースを事業とするミナデインが運営する「烏森百薬」店のランチタイム(12~15時)を「烏森 絶メシ食堂」としてオープン。全国の“絶メシ店”の長年愛されてきたメニューのレシピを、店主から同店スタッフが直接伝授してもらい、東京・新橋の店舗で再現、提供する。そして、一食の売上につき5%をレシピを伝授してくれた“絶メシ店”に還元するという、これまでにないフードシステムで運営していく。

この企画は、「絶メシ食堂」という事業を構想していた絶メシプロデューサー、博報堂ケトル 畑中翔太氏に、「絶メシ」に注目していたミナデイン 大久保伸隆代表取締役が声がかけたことがきっかけに始まったという。コロナ禍における「応援型飲食店」をコンセプトに議論を重ね、レシピ伝授によってロイヤリティを還元するという新しいフードシステムをつくりあげ、オープンに至った。

「日本全国に眠る“絶メシグルメ”をこの食堂で再現・提供し、各地の絶メシ店へ利益を少しずつ還元するフードシステムを創り出すことで、“絶やしたくない絶品グルメ”を未来へと残すお手伝いができればと思っています」(畑中氏)。

第一弾として、絶メシの発祥地である群馬県高崎市の「からさき食堂」の白いオムライス(ホワイトソースオムライス)、「松島軒」の黄色いカレーなど、全3店舗の絶メシを提供。今後、全国の絶メシグルメを随時追加していく。
第一弾として提供される「松島軒」の黄色いカレー、群馬県高崎市の「からさき食堂」の白いオムライス、千葉県木更津「大衆食堂とみ」のポークソテーライス。
第一弾として提供される「松島軒」の黄色いカレー、群馬県高崎市の「からさき食堂」の白いオムライス、千葉県木更津「大衆食堂とみ」のポークソテーライス。