リモートワークで働く際に、課題となるのはコミュニケーション量の低下だ。部署内ではオンライン会議を行い、頻繁に連絡を取り合っているかもしれない。だが、部署を超えてのコミュニケーション、となるとどうだろうか。オフィスに出勤していたときと比べ、「ちょっとした雑談」がしにくくなっている。

2月末から在宅勤務を導入し現在も継続するヤッホーブルーイングでは、フラットな組織で自ら考え行動することを大切にする企業文化のもと、コミュニケーション施策に取り組む。同社で、日常的に在宅勤務をしているスタッフ(有効回答者数52名、8月実施)にアンケート調査をしたところ、8割がユニット内コミュニケーションの量と質は良好、と回答。在宅勤務以前より改善したという声もあった。また6割が生産性が上がったと回答し、在宅勤務は集中して業務に取り組めると評価している。一方で課題となったのは、他ユニット間コミュニケーション量の低下だ。3割が「とても問題がある/問題がある」と回答。業務で関わりのないメンバーとは会うことがなく、日常の何気ない声かけの機会が失われていることがわかった。

図 在宅勤務において問題に思うこと(MA)
ユニット外メンバーとのコミュニケーション量が問題視される結果に。なお問題1位の「押印や決裁手続きといった事務処理」については、7月から「電子印鑑」を試験導入。
ユニット外メンバーとのコミュニケーション量が問題視される結果に。なお問題1位の「押印や決裁手続きといった事務処理」については、7月から「電子印鑑」を試験導入。
そんな同社で、新たに取り組み始めたのが、シャッフル雑談朝礼だ。他部署間コミュニケーション量を増やすために、出社時に実施していた「ユニット混合の雑談朝礼」をオンラインでも実現しようと、9月から「オンラインシャッフル朝礼」を開始。ランダムで決められたメンバーごとにテレビ会議に参加し、20分程雑談をしているという。

オンライン会議は、会議室などの場所をとらず気軽に開催でき、1人ひとりの顔を見ながら話せる利点がある。在宅勤務の長期化をきっかけに「他部門間」の社内のコミュニケーションの在り方も進化していきそうだ。
シャッフル雑談朝礼の様子(ユニット毎に色分けで表示)。
シャッフル雑談朝礼の様子(ユニット毎に色分けで表示)。