「DX」を知っているのは3人に1人、認知度や進捗は企業規模で大きく差【ネオマーケティング調べ】
「DX」の認知度・関心度は企業規模が大きいほど高まる
生活者起点のリサーチやマーケティング支援を行うネオマーケティングは、企業における「DXの取り組み」をテーマにした調査結果を発表した。なお、この調査は、2020年9月4日から9月7日の4日間、18歳以上の正社員・公務員の男女1000人を対象に、インターネットリサーチにより実施された。まず、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」という言葉を知っているかを尋ねたところ、企業規模によって認知度に違いが見られた。規模が小さい企業ほど、DXという言葉自体の認知度が低いことがわかる。企業規模が1000人以上であっても認知度は半分以下となっており、まだ世の中に浸透していない現状が伺える。また、「DX」についての関心度についても、認知度と同様、企業規模が大きくなるほど関心は高まる結果となった。
あなたは「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」という言葉を知っていますか。(単数回答)【n=1000】
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あなたは「DX」について、どの程度関心をお持ちですか。(単数回答)【n=1000】
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新型コロナウイルスによる影響で、3割以上が勤め先のデジタル化を実感
新型コロナウイルスにより多くの企業がリモートワークを導入し、企業のデジタル化が進んだと言われているが、実施にその進捗について、どのように感じているのかを明らかにした。新型コロナウイルスの影響によって、勤め先でデジタル化が強化されたと答えた割合は、3割以上という結果となった。企業規模別に見ると、「~50人未満」の企業ではデジタル化が強化されたのは2割以下、一方で1000人以上の企業では約5割。企業規模により進捗に大きく差があることがわかった。あなたの勤め先では、新型コロナウイルスの影響によってデジタル化は進みましたか。(単数回答)【n=1000】
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デジタル化が進んだ項目は、テレワークに関連する項目が多い。規模が大きい企業では取り組みが顕著に表れており、テレワーク環境を用意するために他項目のデジタル化も進んだことがわかる。しかし、テレワークの実施状況も企業規模で大きな差がある。
新型コロナウイルスの影響によってデジタル化が進んだ項目をお答えください。(複数回答)【n=663】
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今後は働き方改革をはじめ「守りのDX」への期待が高まる
企業におけるデジタル化が進むなか、勤め先におけるDXへの取り組みについて、必要性をどのように捉えているのかを尋ねた。企業規模によって違いが見られ、特に「~50人未満」の企業の場合、必要だと思う人よりも、必要ではないと思う人の方が多い結果となった。勤め先の今後のDXへの取り組みについて、あなたの気持ちに当てはまるものお答えください。(単数回答)【n=1000】
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続いて、勤め先のDXへの取り組み状況を尋ねた。なお、この調査では、「完了している」「取り組んでいる最中」を【DX先進】、「取り組み始めたばかり」「取り組みに向けて具体的に動いている」を【DX後発】、「検討している」「取り組み予定なし」を【DX遅れ】と分類している。
前問で、DXの必要性を感じている人の割合は約3割となっていたが、DXに取り組んでいる【DX先進】と【DX後発】の合計も、ほぼ同じ割合となった。企業規模別に見ると、「~50人未満」とそれ以上では開きがある一方で、50人以上~1000人未満の企業規模では、そこまで大きな差がないことがわかる。1000人以上の企業規模となると、【DX先進】が増えている。
「DX」について、勤め先の取り組み状況を教えてください。(単数回答)【n=1000】
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勤め先について、今後力を入れて取り組みたいと思う領域については、「働き方改革」が全体で最も高く、4割程度となった。そのほかの項目についても、昨今の状況を踏まえてか、【守りのDX】に分類した項目が多く選択されている。なおこの調査では、「新規事業・サービスの開発」「既存ビジネスモデル・サービスの変革」を【攻めのDX】、「既存製品・サービスの提供価値強化」「既存製品・サービスの提供体制の効率化」「業務効率化・生産性向上」「業務自動化」「コスト削減」「働き方改革」を【守りのDX】と分類している。
勤め先において、今後力を入れて取り組みたいと思う領域をお答えください。(複数回答)【n=1000】
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昨今の新型コロナウイルス感染拡大によって、テレワーク・リモートワークを実施する企業も増え、今までの働き方を見直す動きは加速している。この働き方改革の流れ、デジタル化の流れは、新型コロナウイルスの影響による変化の時代においても、本質的で不可逆なものであると推察できる。