トレンダーズは、Instagramを利用している20~30代の未就学児の母親300名を対象に、「今どきママのInstagram買い物実態調査」を実施した。

SNSは人々の消費行動に大きな影響を及ぼしており、とりわけInstagramは、ECサイトへ繋がるショッピングタブをアプリのメインUIに追加するなど、購買への導線が強化されている。今回は、アクティブユーザーの中心である20~30代女性のなかでも、子どもや家族の買い物も担うことが多い母親の利用実態を調査。特に、子育てに手がかかるフェーズと考えられる未就学児(0~6歳)の母親に絞って分析している。

自分の興味や好みに合った投稿から衝動買いに

まず、Instagramの投稿を見ているうちに、いわゆる「衝動買いをした経験はあるか」と聞いたところ、74.0%が「経験あり」と回答した。

その理由として最も多かったのが、「自分の興味や好みに合ったものだったから」で、81.1%という高い数字になっている。Instagramのアプリを開いた際、「これは私っぽい」と直感し、衝動的にモノを買うという消費行動が見てとれる。

今どきママは、「芸能人」よりも「一般人」の情報を参考にする傾向

次に、「買い物をする際に参考になるInstagramアカウント」について聞いたところ、1位は「友人・知人」(36.0%)、2位は「自分の興味や好みに合う一般人」(35.3%)、3位は「フォロワーの多い一般人(インフルエンサー)」(30.0%)となった。「フォロワーの多い芸能人」は24.3%で4位となり、買い物の情報源として、芸能人よりも一般人を参考にしているということがわかる。言い換えると、「知名度」よりも「親近感」を重視しているといえそうだ。

「買い物をする際、どんなInstagram投稿を参考にしているか」を聞いてみると、「画像や動画で伝わる情報」を重視するという声が72.8%。対して「キャプションのテキスト情報」を重視するという意見が17.7%となり、圧倒的に、ビジュアルで完結する情報が重視されていることがわかった。

具体的に「どのようなビジュアル情報を参考にしているか」については、「使用感のイメージがわかる」(58.3%)、「良い点と悪い点の両方がわかる」(27.0%)、「商品の特徴やスペックがわかる」(23.3%)、などが多く見られた。買い物の参考には、商品の特徴やブランドの世界観よりも、「どんなメリットがあるか」がすぐにわかることが求められているといえる。

買い物の情報収集は「ストーリーズ」がメインに

最後に「買い物の情報収集によく使うInstagramの機能」について聞いたところ、「ストーリーズ」(50.0%)が「フィード」(43.3%)を約7ポイント上回った。フィードはアカウントのギャラリー的な役割を担うことが多いため、「きちんとした情報」、「後に残ってもいい情報」に寄る傾向があり、投稿頻度はまちまちという人が多くなっている。一方、ストーリーズは24時間で消えるという特性上、「思いつきの情報」や「思わず言いたくなった情報」が多くなりやすく、更新もアクティブ。参考になるアカウントの項目で「知名度」よりも「親近感」が重視されていたように、友人・知人との雑談の中で「ちょっと聞いて!」とカジュアルに提案された情報の方が、消費欲求が刺激されやすいと考えられる。

今回の調査から、Instagramを頻繁に利用する今どきのママたちは、自分との関係や感覚の近いアカウントを信用し、ビジュアル情報から直感で買うものを決めている、という消費行動が明らかになった。ママをターゲットとしたプロモーションを成功させるには、特定ジャンルのコミュニティに対して強い影響力を持つ「マイクロインフルエンサー」を活用しつつ、「文字入れ投稿」や「ストーリーズ投稿」といった、直感に訴えかける見せ方が鍵といえそうだ。


<調査概要>
・調査対象:日常的(週3回以上を目安)にInstagramを利用している、20~30代の未就学児の母親300名
・調査期間:2020年12月17日~18日
・調査方法:インターネット調査