ACジャパンは、第17回「ACジャパン広告学生賞」の入賞作品を決定した。この賞は、学生を対象に公共広告をテーマにした広告作品を募集・表彰したもので、今回で17回目を迎える。

「テレビCM部門」(30秒テレビCM)と「新聞広告部門」(15段新聞広告)の両部門で募集を行い、「テレビCM部門」では参加校35校・244作品、「新聞広告部門」では参加校30校・529作品の応募があった。審査は「公共広告として優れており、人々に興味や気づきを感じさせる作品か」、「学生ならではの感性や、オリジナリティ溢れるアイデア・テーマ性があるか」などを視点に行われた。

テレビCM部門では、耳マークをテーマにした「聞こえる優しさ」(東京工芸大学 滝口太郎さん)がグランプリを獲得。制作した滝口さんは、買い物の際にレジにあった「耳マーク」に出会ったものの、マークの存在が世間一般に知られていないことに気づき、今回の作品を企画したという。審査員からは、「耳マーク」を広く知ってほしいという作者の思いが伝わるとして評価された。
「聞こえる優しさ」
「聞こえる優しさ」
準グランプリBS民放賞には、フードロスをテーマにした「牛の気持ち」(武蔵野美術大学 河北瑠慧さん)が選出された。
「牛の気持ち」
「牛の気持ち」

新聞広告部門でグランプリを獲得したのは、詐欺をテーマにした「良い人」(桜美林大学 飛田奏さん)。捕まらない詐欺師はきっとすごく嘘が上手で良い人の顔ができるのだろうという考えから、簡単に信じてはいけないと確認を促す広告を目指したという。“良い人”そうなイラストと「初めまして、詐欺師です。特技は良い人のフリです。」というコピーの説得力に評価が集まった。
「良い人」
「良い人」
また、食品ロスをテーマにした「#完食」(目白大学 久保田香帆さん)が準グランプリを受賞した。
「#完食」
「#完食」

テレビCM部門の2作品(30秒)はBS民放8局で、新聞広告部門の2作品(全15段)は全国紙5紙で、7月からの1年間で放送・掲載される予定だ。

そのほか両部門で、審査員特別賞、優秀賞、奨励賞の各賞が決定している。各賞の受賞作品は以下の通り。

テレビCM部門(30秒テレビCM)

■グランプリ 1点

「聞こえる優しさ」
テーマ:思いやり
東京工芸大学 制作代表者:滝口太郎
    
■準グランプリBS民放賞 1点

「牛の気持ち」
テーマ:フードロス
武蔵野美術大学 制作者:河北瑠慧

■審査員特別賞 4点

「見た目で判断できない障がい者」    
テーマ:外見からは判断できない障がい者
東京工芸大学 制作代表者:城紗有

「それでも僕らは」 
テーマ:歩きスマホ
東京工科大学 デザイン学科 制作代表者:小森 一輝

「海からの贈り物」           
テーマ:環境問題
長岡造形大学 制作代表者:月田小夏

「アレルギーは、“きらい”じゃない。」
テーマ:食物アレルギー
大阪芸術大学 制作代表者:岡本愛美

■優秀賞 19点

■奨励賞 22点

新聞広告部門(15段モノクロ新聞広告)

■グランプリ 1点

「良い人」                      
テーマ:詐欺
桜美林大学 制作者:飛田奏 

■準グランプリ 1点

「#完食」 
 テーマ:食品ロス
目白大学 制作代表者:久保田香帆

■審査員特別賞 4点

「Shall We Dema?」     
テーマ:デマ情報
東北芸術工科大学 制作者:岡崎夏奈

「結局、ぼくたちってなんであの時売り切れたの?」
テーマ:デマ拡散
日本大学芸術学部 制作者:木下優里

「お客様は人間です。店員も人間です。」
テーマ:カスタマーハラスメント
相模女子大学 制作者:下石和

「鬼はかわいそうですか?」     
テーマ:メディアリテラシー
京都芸術大学 制作者: 篠原茉優

■優秀賞 21点

■奨励賞 19点