博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所は、生活者のメディア接触の現状を捉える「メディア定点調査」の結果を発表した。

本調査は、東京都・大阪府の2地区において、15~69歳の男女962サンプル(東京647、大阪315)を対象に、2021年1月21日~2月5日に実施されている。メディア接触時間や生活者のメディア意識など、時系列分析から見えてきたメディア環境の変化を報告した。調査結果は、以下の通り。

■メディア総接触時間は450.9分と大幅に伸長し、過去最高

メディア総接触時間は昨年から39.2分伸びて450.9分(1日あたり/週平均)と過去最高。メディア定点調査開始以来、最大の伸びとなった。「携帯電話/スマートフォン」 (昨年から18.0分増)を始めとして、「タブレット端末」(同9.7分増)、「パソコン」(同8.4分増)の接触時間が伸びた。「携帯電話/スマートフォン」「タブレット端末」「パソコン」の合計が全体に占める割合は55.2%と大きく増加した。「テレビ」の接触時間は5.8分増加して2019年と同程度に戻った。

■定額制動画配信サービスの利用は46.6%と半数に迫る。昨年から9.7ポイント上昇

定額制動画配信サービスの利用は昨年から9.7ポイント上昇して46.6%と半数に迫った。コロナ禍前から伸びており、2年前の2019年からは18.8ポイント増加し、急速に成長している。テレビ受像機のインターネット接続率も45.8%(昨年から5.3ポイント増)と半数に迫る勢い。動画をテレビで見ることができるストリーミングデバイスは4人に1人(25.5% 同9.0ポイント増)が所有するようになり、テレビを取り巻くメディア環境は目覚ましく変化している。

■動画視聴をテレビ視聴と捉える生活者は2割超。「テレビを見る」という概念が拡張

テレビの利用時間に何を入れたのかを聴取した結果(③-1)、有料動画(昨年から8.4ポイント増)・無料動画(同3.6ポイント増)共に増加し、2割を超えた。動画視聴をテレビ視聴と捉えている生活者が増加し、「テレビを見る」という概念が拡張した。生活者のメディア意識・態度の変化の大きさを見るべく、意識・態度に関する63項目を昨年と今年のスコアの差分でランキングしたところ、「好きな情報やコンテンツは、好きな時に見たい」が最も変化し、昨年から6.3ポイント増加して6割を超えた。定額制動画配信サービスなどの充実によりコンテンツが飛躍的に増加し、自分の好きな時にメディアに接触する環境が整ったと言える。