マッキャンエリクソンが、日本を取り巻く生活者の空気を「ニッポンのキブン」と題し、平成最後の気分について全国調査を行った。
 
1.「平成」は顕著に低評価の一方、改元後の「新時代」への期待は高まる
昭和、平成、改元後の時代について、それぞれ一言で自由に記入してもらい、全回答のうちポジティブな言葉の回答比率を集計すると、「昭和」のポジティブ回答比率45.4%に対し、「平成」は28.3%と大きく低下。一方で、「新時代」へのポジティブ回答比率は48.9%と最も高い結果となった。
「改元後の時代に期待すること」を自由回答で聞いたところ、「格差のない平等な社会」や「子育てがしや社会」への期待が多く見られた。また、「期待しない」「特に無い」などの回答は全体の18.1%に留まり、81.9%の人は「改元後の新時代」に何かしらの期待を抱いていることが見受けられる。
さらに、「今の自分」を一言で表したランキングからは5年前(2014年)の調査結果に比べ「不安」「疲れる」の順位が下がり、代わりに「健康」「幸せ」の順位が上がったことがわかる。
このように、改元により新元号になることが、生活者のマインドをある程度ポジティブに刺激したことで、「改元で新しいことを始めてみようと思う(45.9%)」、「改元が消費を前向きにする(36.3%)」など、前向きな意見が増えている。
2.日本を分断する「40歳の壁」
現在の自分の生活の点数を100点満点で評価してもらったところ、10代から年代が上がるほど点数が高い結果となり、高年齢層ほど現状への満足度が高い結果となった。
それに対し、日本の変化に対し前向きな人の比率は10代から30代は高いものの、40代以上になると一気に低下し4割台となった。また、新時代の「働き方」「学び方」や「消費の仕方」に関しても、「変わりそう」と回答した比率が30代以下では6割前後と高いのに対し、40代以上では約4割と低い結果となった。これらからは、現代の日本は「現状満足度は低いが、変化に前向きな30代以下の若年層」と、「現状満足度が高めで、変化に否定的な40代以上の層」に二分されていることが窺える
3.その他の平成最後の「ニッポンのキブン」
「昭和と平成のどちらが良い時代だったか」という問いでは、10代と20代は「昭和<平成」、30代で「昭和=平成」と拮抗し、40代以降では「昭和>平成」と逆転した。
「平成生まれ世代」のうち54.5%が「改元を重要」と回答し、「昭和生まれ世代」の35.9%を大きく上回った。
また、10代女性(16-19歳)の30.4%が「“平成最後の”という名目で消費をした/これからする」と回答している。さらに、男子高校生・男子大学生の60.3%が「専業主夫になってもいいと思う」と回答し、5年前の2014年の調査結果47.0%を大きく上回った。
同じく2014年調査時は48.5%だった「東京五輪を楽しみにしている」のスコアが30.8%に低下し、「五輪後に急に景気が落ち込まないか心配」の33.9%に逆転された。
「ニッポンのキブン」調査チーム長の松浦吉高氏は「今回の『ニッポンのキブン』調査の結果からは想像以上に新時代への高い結果が見られました。調査チームでは、これからの時代に求められているのは、多様な価値観を尊重し合い、自分の思いと相手の思いを認め合うことでつながっていく『多種多様なリスペクト社会』なのではないか」と述べている。