エビリーは、同社が運営する動画SNSデータ分析ツール「kamui tracker(カムイトラッカー)」の動画検索機能を活用し、コロナ禍以降のYouTube動画トレンドについて、独自に調査を行い発表した。

今回の調査では「kamui tracker」で独自に集計したデータを用い、YouTube上における特定のキーワードを含む動画の月間投稿本数を計測。YouTube上で特定のキーワードをタイトルもしくは説明文(概要欄)に含む動画の投稿本数を「kamui tracker」のデータベースで独自に調査し、2020年1月以降、3ヶ月ごとに各月での本数を測定した。また、2020年1月の動画投稿本数を100とした際の投稿本数推移をスコアとして記載している。

コロナ禍長期化で高まる「癒やし」「生活を快適にしたい」ニーズ

調査の結果、「睡眠用」「リラックス」「間取り」の3つのキーワードが、コロナ発生以降、現在に至るまで継続的に動画投稿本数が伸びていることが判明した。「睡眠用」のキーワードは、眠気を誘うようなヒーリング音楽や波音などの自然音、ASMRなどの心地よい音を主体とする動画に含まれており、「リラックス」のキーワードを含む動画も音に関する投稿がメインとなっている。加えて、お香などのリラックスアイテムの紹介や、ペットとのゆったりとした時間を伝える動画が人気となっている。「間取り」は、物件紹介の動画を中心に含まれるキーワードで、個性的なデザイナーズ物件紹介から、ハウスメーカーのモデルルーム動画までさまざまな紹介動画が存在している。

これらの動画が増えている背景には、長引くコロナ禍による生活の変化があると考えられており、リモートワーク・リモート授業で家にいる時間が増えるなど、生活のリズムが変わったことで体調や心理状態に影響が出ている人が増えている可能性が推察されている。そのため、癒やしを与える動画へのニーズが高まっている。また、物件紹介動画のニーズの高まりは、家にいる時間が増え、いままで以上に在宅時の快適さにこだわりを持つ人が増えた結果であると考えられる。

2020年4月以降、伸びが高止まりを見せたキーワード

「ダイエット」「DIY」「実況プレイ動画」の3つのキーワードは、それぞれコロナ禍で一気に需要が高まったYouTube動画ジャンルだが、2020年4月以降の動画投稿本数は横ばいとなっていることがグラフからも読み取れる結果になった。コロナ発生直後には、多くのYouTuberがこれらのジャンルで動画を投稿したが、供給が多くなるなかで、徐々に見られるチャンネルが絞られ、結果的に投稿本数の伸びが落ち着いたという背景が推察できる。