位置情報データ分析を中心にビジネスにおけるデータ活用のサポートを実施するクロスロケーションズは、9月10日の「屋外広告の日」にちなみ、同社が開発した位置情報ビッグデータ活用プラットフォーム「Location AI Platform®(以下、LAP)」の分析メニューを活用して独自に分析した結果を発表した。

屋外広告として、新宿3D猫はどのような人が見ているのか?

2020年のコロナ禍の流行で人々の行動や密集に注目が集まり、それを把握する方法として「匿名化された携帯電話位置情報ビッグデータの分析による人流(人出)の変化の情報」の可視化が、連日メディアでも報道されるようになった。そこで、2021年7月12日、クロス新宿ビジョンに巨大な3D猫が現れて話題となった屋外広告が、どれくらいの人流を及ぼしたのかを調査。LAPの機能である該当広告が設置された周辺をポリゴンで指定し、その人流の変化をグラフでまとめた。
2021年6月25日にクロス新宿ビジョンに存在する3D猫動画広告についてのテスト放送が開始され、その後巨大猫現る!など海外を含めてSNSやテレビなどで報道され話題が浸透。7月12日の本格運用に向けて、特に週末の人出が増加したことが確認できた。

また、同期間でこのエリアに訪れたデモグラフィックについても分析を実施。新宿駅東口(3D猫)周辺に訪れた人の割合は20代が29.2%であるのに対し、同じ期間に新宿南口に訪れた20代は17%という結果となり、同じ新宿駅であっても、新宿駅東口側に流れる来訪者と、新宿駅南口側に流れる来訪者には違いが出ることが判明した。
加えて、LAPの機能であるそのターゲットエリアに訪れた人の「施設併用率」も同時に計測したところ、新宿3D猫周辺のターゲットエリアに来訪した人の併用率が高い場所として、近隣に存在するルミネエスト内の店舗がHot Placeランキング1位という結果に。新宿駅南口に比べて東口は20代の比率が高くなる裏付けができた形となった。

クロスロケーションズは、今後も位置情報ビッグデータの解析を通じて、地域の人々の生活に役立つ「人流の見える化」を可能とする開発を進めていく。