博報堂の、グループ横断で企業・事業変革を支援するコンサルティングチーム「HAKUHODO X CONSULTING(博報堂クロスコンサルティング)」は、ニューノーマル時代の働き方と組織のあり方を探る意識調査「会社と私の本音調査」を実施した。今回の調査は、会社で働く3つの階層(経営層・管理職層・一般社員)を対象に行い、働き方や仕事に関する各層の本音を比較。特に経営層と一般社員の大きな意識・価値観のギャップが浮き彫りになった。

現在の会社・仕事に対する本音

経営層は、自社や仕事に対する強い愛着や誇りを持つが、一般社員はその半分程度にとどまる。

「自分の会社が好きだ」「自分の仕事が好きだ」「自分の職場が好きだ」「自分の会社に誇りを持っている」のいずれの質問においても、経営層>管理職層>一般社員という結果になった。経営層の8割以上が自社や仕事への愛着や誇りを持っている一方で、一般社員はその半分程度にとどまっている。特に「誇りを持っている」の項目では40ポイント以上の大きな意識差が見られた。

副業や転職に関する本音

一般社員の8割が副業に賛成、7割が自分も副業したいと回答。やりたいことがあれば転職する意識も高い。

一般社員の79.6%が「会社が副業を認めることに賛成」、68.0%が「自分で副業をしたい」と回答するなど、一般社員層に副業に対する前向きな意識が浸透していることがわかった。「会社が副業を認めることに賛成」はすべての層で6割を超え、会社全体としても外に開きつつある状況が伺える結果に。また、一般社員の57.8%が「今の仕事よりやりたいことがあれば、すぐにでも今の仕事をやめたい」と回答している。

仕事・働き方の未来についての本音

このまま働き方を変えずに乗り切れると考える経営層と、今の仕事はなくなっていくと冷静に見つめている一般社員の意識の違いが浮き彫りに。

「働き方を変えなくても自分は定年(引退)まで乗り切れる」と回答した人は経営層64.7%、一般社員38.7%と、26ポイントの差が開いた。一方で、「今の職種は今後必要とされなくなる」は経営層28.7%・一般社員47.1%、「今の仕事は将来AI等に取って代わられる」は経営層25%・一般社員48.7%といずれも一般社員層が最も高くなっている。一般社員の半数が“今の仕事がなくなっていく”と感じているようだ。

階層間コミュニケーションに対する本音

各層間のコミュニケーションは、やや経営層の一方通行状況に。しかし、どの2層間でも8割前後以上がよりよい相互コミュニケーションを求めている。

(1)現状

【① 経営層と一般社員層】経営層の53.3%が一般社員とコミュニケーションを取れていると感じているが、一般社員側でそう感じている割合は33.3%にとどまった。(差分20pt)

【② 経営層と管理職層】経営層の58.3%が管理職層とコミュニケーションが取れていると感じているが、管理職層は41.0%にとどまった。(差分17.3pt)

【③ 一般職層と管理職層】管理職層の47.8%が一般社員とコミュニケーションが取れている、一般社員の41.3%が管理職とコミュニケーションが取れていると回答。差は小さい(6.5pt)ものの、いずれも過半数を下回った。
(2)今後(理想)
【① 経営層と一般社員層】経営層の89.3%、一般社員の76.7%が相互の良好なコミュニケーションを望み、特に経営層からの問題意識が強い様子が見られた。

【② 経営層と管理職層】経営層の88.3%、管理職層の85.8%と、この二層間では85%以上が相互の良好なコミュニケーションを望んでいる。

③ 一般職層と管理職層】 管理職層の87.4%、一般社員の81.8%がお互いの良好なコミュニケーションを望んでおり、この二層間でも高いコミュニケーション欲求が伺えた。

【調査概要】
調査手法 :インターネット調査
調査時期 :2021年2月
調査対象者:全国の100人以上の企業に勤務している人
※個人事業主、家業手伝い、パート/アルバイト、学生、専業主ふ、無職をのぞく
サンプル数:1250サンプル(経営層300名、管理職500名、一般職450名)