アドビは、「未来の働き方に関するグローバル調査」を世界7カ国で実施。その結果を公表した。

テレワークでワークライフバランスが向上。しかし日本ではオフィス外での仕事環境向上が課題に

新型コロナウイルス感染症拡大の影響でテレワークを導入する企業が増えるなか、「テレワークによってワークライフバランスは向上しましたか?」の問いに対し、グローバル平均で85.5%、日本でも73.0%が「向上した」と回答した。
一方で、「オフィス勤務よりテレワークの方が仕事がはかどりますか?」の質問には、グローバル平均で約7割が「そう思う(69.1%)」と答えたのに対し、日本で「そう思う」と回答したのは7カ国中最も低い42.8%に留まった。このことから、日本の回答者は、テレワーク環境でオフィスほど仕事を効率的に行えていないことが判明した。

雑務にかける時間が最も長いのは日本。作業効率化のためのデジタルツール導入が必要に

また、全体の業務時間のなかで雑務にかける時間の割合を聞いたところ、7カ国の中で日本が最も雑務に時間をかけていることがわかった。
そこで、作業効率化のためにデジタルツールを導入してほしいタスクを聞いたところ、日本では1位「紙文書の作成・確認作業(71.0%)」、2位「ファイル管理(70.6%)」、3位「ファイル検索(62.6%)」という結果となり、多くの人がより効率的に仕事を進めるためのツール導入を望んでいることが判明。紙を使った業務が多く残る日本では、紙文書のデジタル化がテレワーク体験向上の鍵になると考えられる。

デジタルツール、テレワーク導入の有無は仕事選びにも影響

テレワークの導入など働き方が多様化するなか、来年の転職意欲を尋ねたところ、日本でも39%と、転職を考えている人が4割近くいることがわかった。また「年収や仕事内容が変わらないとすると、転職したい理由は何ですか?」との質問に対し、グローバル平均でも日本でも半数以上の人が「ワークライフバランス」、「仕事のスケジュールを自分でコントロールできる」、「テレワークが選択できる」、「作業効率化のためのツールを導入している」ことが重要だととらえており、企業側にとってより良い人材を確保するためには、ワークライフバランス、裁量権、テレワーク環境、デジタルツール導入が鍵であることを示唆している。
「未来の働き方に関するグローバル調査」 概要
調査方法:インターネット調査
実施対象:3,404人(日本: 500人、アメリカ: 501人、イギリス: 500人、ドイツ: 501人、フランス: 500人、オーストラリア: 502人 、ニュージーランド: 400人。従業員数1000名以上の企業に勤める男女。)
調査期間:2021年4月30日~5月28日