ハルメク生きかた上手研究所は、50~84歳の女性470名を対象に「バレンタインに対する意識と実態調査」をWebアンケートにて実施した。その結果、シニア世代において、バレンタインを約5割が毎年実施し、肯定派は6割を超えていることがわかった。バレンタインは、「感謝を伝えるきっかけの日」として捉えられており、「“お土産”以上“お歳暮”未満」な位置づけの記念日となっている。

長引くコロナ禍での生活で、シニア世代においても交友関係や家族との過ごし方に変化が起きている。例えば、人とのつき合いが疎遠になる一方で、家族で過ごす時間が増えるなどの変化が見られる。ハルメクは、そのようななかで、シニア女性はバレンタインをどう捉え、どのように過ごしているのかを明らかにするために、「バレンタインに対する意識と実態調査」を実施したという。

調査サマリーは以下の通り。

バレンタインを毎年実施している人は約5割。たまにしている人も含めると65%以上がバレンタインを実施
バレンタインを毎年実施している人は48.5%であった。年間の行事食のなかでも、バレンタインは毎年チョコレートなどを食べている人が56.4%で、ハロウィンの3倍以上となる。実施していることは「人にチョコレートをプレゼントする」 が89.5%、次いで「自分にチョコレートを買って食べる」が33.3%、「家族がもらってきたチョコレートを一緒に食べる」30.4%との結果が出た。

バレンタインは「誰かと楽しみを分かち合う日」。義理チョコはやめ、「本当にお世話になった人に感謝を伝えるきっかけの日」にもなっている
バレンタインデーは、高級なチョコレートを楽しむ日23.0%、家族と楽しむ日18.9%、人に感謝を伝える日18.3%という認識に。他にも「自分が楽しむ日」「夫と楽しむ日」など、“楽しむ”というワードが上位に並ぶ。10年前からの変化は「義理チョコを渡さなくてよくなった」こと。感謝を伝える相手は、「夫」 「友人」 に次いで「お世話になった人」。「きっかけがなくて伝えられていない感謝の気持ちをこの日を借りて表せる」「年を重ねても誰かに感謝する日でありたい」などの意見も。

バレンタインは肯定派が6割超。「サステナブル」や「多様性」などの兆しもみられる
バレンタインは肯定派が63.2%。今年のバレンタインを行う予定がある人は60.2%。
贈りたいチョコレートは、日本ブランドのチョコレート58.3%が、海外ブランドのチョコレート41.7%よりも人気。フェアトレードや環境に配慮して生産されたものなどサステナブルなチョコレートも13.4%、となっている。「女性から男性へという枠を超えつつあることを歓迎」 や「バレンタインデーも多様性の時代だと思う」 という意見もみられた。

【調査結果詳細】
<バレンタインを毎年実施している人は約5割。たまにしている人も含めると65%以上がバレンタインを実施>

  • バレンタインを「毎年実施している」人は48.5%。季節の行事やイベントなどでの食事の中でも、バレンタインは「毎年チョコレートなど行事に関連したものを食べている」人の割合が、全15イベント中5位となり、行事として定着している。ハロウィン(16.4%)と比較すると、3倍以上となる。
  • 実施していることは「人にチョコレートをプレゼントする」が89.5%。次いで「自分にチョコレートを買って食べる(33.3%)」、「家族がもらってきたチョコレートを一緒に食べる(30.4%)」。
  • チョコレートをやりとりしている相手は、夫、息子、友人、お世話になった人。
<バレンタインは「誰かと楽しみを分かち合う日」。義理チョコはやめ、「本当にお世話になった人に感謝を伝えるきっかけの日」にもなっている>
  • バレンタインデーは「高級なチョコレートを楽しむ日(23.0%)」 「家族と楽しむ日(18.9%)」「人に感謝を伝える日(18.3%)」。他にも「自分が楽しむ日」「夫と楽しむ日」など、“楽しむ”というワードが上位に並ぶ。
  • 10年前からの変化は「義理チョコを渡さなくてよくなった」ことがトップ。
  • 感謝を伝える相手は、「夫」「友人」に次いで「お世話になった人」。人への感謝に対する意見(自由回答)では、「きっかけがなくて伝えられていない感謝の気持ちをこの日を借りて表せる」「年を重ねても誰かに感謝する日でありたい」などの意見がみられた。
バレンタインに対する意見「人への感謝に対する意見」50~84歳の女性470名による記述内容の一例
  • 夫にさり気なく「感謝」を伝えることの出来る大切な日(62歳、東京都)
  • 恋愛に限らず、日頃お世話になっている感謝の気持ちなど、改めて伝えるきっかけが持てないさまざまな思いを、このイベントを借りて表せる(64歳、長野県)
  • 仕事をしていたころは人との繋がりのため無理をすることもあったが、いまは本当に渡したい人にのみ、日頃の感謝を伝えることができる特別な日(64歳、福岡県)
  • 若い人にはとても大切な行事だと思うが、年を重ねても誰かに感謝する日でありたい(63歳、宮城県)
     
<バレンタインは肯定派が6割超。「サステナブル」や「多様性」などの兆しもみられる>
  • バレンタインについては、肯定派(「よいと思う」「まあよいと思う」の合計)が63.2% 。否定派(「よいと思わない」「あまりよいと思わない」の合計)が12.7%で、肯定派が多い。
  • 今年のバレンタインを行う予定がある人は60.2% 。
  • 贈りたいチョコレートは、「日本ブランドのチョコレート(58.3%)」が、「海外ブランドのチョコレート(41.7%)」よりも人気。「フェアトレードや環境に配慮して生産されたものなどサステナブルなチョコレート」も13.4%となる。
  • バレンタインについての自由回答でも、「女性から男性へという枠を超えつつあることは歓迎」や「バレンタインデーも多様性の時代だと思う」など、バレンタインの多様化に対する意見もみられた。
バレンタインに対する多様な意見(50~84歳の女性470名による自由記述の一例)
  • いまは、女性から男性へという枠を超えつつあるというニュースは歓迎です(63歳、福岡県)
  • 愛や感謝の気持ちを伝える日として世代を超えて性別を超えて楽しむことができる(65歳、北海道)
  • バレンタインの意味合いがここ何年かですごく変わってきた気がします。女性が自分のために少し贅沢でおしゃれなチョコレートを買うのはとても楽しくて、いいことかなと思います(63歳、東京都)
  • バレンタインデーも多様性の時代だと思います(64歳、神奈川県)

【専門家の見解】ハルメク 生きかた上手研究所所長 梅津順江氏
シニアには「“お土産”以上“お歳暮”未満」のバレンタイン儀式がちょうどいい
「「ハロウィンの経済効果がバレンタインを超えた」「バレンタインは形骸化。ハロウィンに負けた」これらは、ハロウィンの時期にみられる報道の数々。若者の間では、「バレンタイン離れ」現象が起きているようです。追い打ちをかけるように非接触時代が到来し、恋愛も下火になり、ギフト交換によるコミュニケーションを難しくしています。

シニアのバレンタイン事情はどうでしょう。シニア女性の56.4%が「バレンタインに関連して何らかの食べ物を毎年食べている」と回答。「ハロウィン」16.4%に対して3倍以上の開きがありました。

また、バレンタインデーに肯定的な人が6割以上、今年もバレンタインを予定している人も6割以上という結果が今回の調査で明らかになりました。シニア女性にとって、バレンタインデーは廃れていませんでした。夫・息子・友人・お世話になった人などにチョコレートをプレゼントしたり、楽しみや感謝を分かち合いながらチョコを食べてバレンタインデーを過ごしたりしていました。チョコレートは「愛」「礼」が直に伝わる寓意だからか、甘い嗜好品だからか、土産品よりも重みがあります。それでいて、お歳暮・お中元よりも堅苦しくなく気軽です。一瞬で溶けて消えるお菓子だから、後腐れもありません。そんな「“お土産”以上“お歳暮”未満」な位置づけの記念日が、当該世代にとって便利で心地よいのかもしれません。」

【調査概要】
調査の方法:Webアンケート
調査の対象:50~84歳の女性
有効回答数:470名
調査実施日:1月21日~24日
調査主体  :ハルメクホールディングス生きかた上手研究所