WOW WORLDは、企業のマーケティングならびに広報・PR従事者701名を対象に、「顧客とのコミュニケーション方法」に関するインターネットリサーチを実施した。

1. 調査背景
同社が昨年実施した1110人の生活者を対象とした調査「企業に求める情報発信とコミュニケーション方法」では、生活者の半数近くは企業のWebサイトやメールマガジンから情報を受け取ることが最適だと考えていることがわかった。また、生活者が自分の意思を企業に伝える最適な手段は、企業のWebサイトの問い合わせフォームへの連絡や、問い合わせ窓口への電話であると回答した人が多い結果となった。

それを受け、今回は企業側がどのようなツールを選択し、どのような目的でコミュニケーションを図っているのかを把握するため、全国の企業のマーケティングならびに広報・PR従事者701名を対象にインターネットリサーチを実施した。
 
2. 調査結果サマリー
  • 「企業が情報発信する手段」として最も多く選ばれたのは「Webサイトのお知らせなどの更新」(81%)。BtoC企業はSNSやマスメディアを積極的に利用。
  • 企業が情報発信する目的は「新規顧客の獲得」(79%)が最多。次いで「ブランド力の向上」(60%)、「見込み顧客との関係性向上」(58%)。
  • 情報発信のために導入しているシステムは「メール配信システム」(38%)。次いで、「マーケティングオートメーションツール」(22%)。
  • 「顧客の声を聞く手段」は、「問い合わせフォーム/代表メールアドレスへの連絡」(53%)が最多。次いで、「問い合わせ窓口への電話」(45%)。
  • 顧客の声を集めるために導入しているシステムは、「アンケートフォーム作成システム」(38%)が最多。次いで、「マーケティングオートメーションツール」(20%)。
  • 「顧客との関係性を向上させるための取り組み」は、「カスタマーサポートの窓口を設置」(29%)が最多。次いで、「オリエンテーション・イベント・セミナーの実施」「カスタマーサクセスの取り組み」(同率24%)。
  •  将来的に実施したほうが良い施策は、同率で「Webサイトのお知らせなどの更新」「企業の公式SNSでの配信」(18%)。次いで、「チャットシステム・Web接客ツールの設置」(14%)。ネット上での双方向コミュニケーションに関心あり。
3. 調査概要
■内容:顧客とのコミュニケーション方法
■調査手法:「WEBCAS formulator」を活用し、GMOリサーチ「JAPAN Cloud Panel」のモニターでインターネット調査を実施
■調査期間:2月17日~24日の8日間
■エリア:全国47都道府県
■有効回答数:701人(職種×サービスや商品の販売先)
4. 調査結果
【1】顧客への情報発信方法
■「企業が情報発信する手段」として最も多く選ばれたのは「Webサイトのお知らせなどの更新」(81%)。BtoC企業はSNSやマスメディアを積極的に利用。

<1>あなたの所属する企業では、現在どのような手段(方法)を利用して、顧客や見込み顧客に情報発信をしていますか(複数回答可)
図1の「あなたの所属する企業では、どのように顧客や見込み顧客に情報発信をしていますか」という質問に対して、81%の人が「Webサイトのお知らせなどの更新」を選択。ほとんどの企業が自社の製品・サービスサイト、コーポレートサイトで情報発信をしていることが分かった。次いで、53%の人が「企業公式SNSでの配信」、40%の人が「メールマガジンの配信」を選択していた。

<2>あなたの所属する企業では、現在どのような手段(方法)を利用して、顧客や見込み顧客に情報発信をしていますか(複数回答可)【販売先別】
販売先別で比較すると、「企業の公式SNSでの配信」を選択した割合は、生活者向け(BtoC)の企業は62%、法人向け(BtoB)の企業は37%と、1.7倍近い差があった。また、「マスメディアへの出稿」においても、生活者向け(BtoC)の企業は42%が選択したのに対し、法人向け(BtoB)の企業は17%と、生活者向け(BtoC)の企業の回答割合が2.5倍近く上回った。SNSやマスメディアは生活者にとって身近なツールであり、発信した情報を見てもらいやすいと考えている企業が多いことがうかがえる。

また、「Webサイトのお知らせなどの更新」と「メールマガジンの配信」は法人向け(BtoB)、生活者向け(BtoC)も大差なく取り組んでいることが明らかになった。

■企業が情報発信する目的は「新規顧客の獲得」(79%)が最多。次いで「ブランド力の向上」(60%)、「見込み顧客との関係性向上」(58%)。
<3>あなたの所属する企業では、どのような目的で情報を発信していますか(複数回答可)
「あなたの所属する企業では、どのような目的で情報を発信していますか」という質問に対して、79%の人が「新規顧客の獲得」を選択した。次いで、60%の人が「ブランド力の向上」、58%の人が「見込み顧客との関係性向上」を選択。新規顧客の獲得はもちろん、一度接触のある見込み顧客や既存顧客とのつながりを目的に情報発信している企業が多いことが分かった。

■情報発信のために導入しているシステムは「メール配信システム」(38%)。次いで、「マーケティングオートメーションツール」(22%)。
<4>あなたの所属する企業では、情報発信のためにどのようなシステムを導入していますか(複数回答可)
「あなたの所属する企業では、情報発信のためにどのようなシステムを導入していますか」という質問に対して、38%の人が「メール配信システム」を選択している。次いで、22%の人が「マーケティングオートメーションツール」、19%の人が「CRM」「SNS管理ツール」を選択。マーケティングオートメーションツールやCRMツールにもメール配信機能が付属しているケースは多く見受けられるが、専用のメール配信システムを活用している企業が多いことが明らかとなった。

【3】顧客の声を聞く方法
■「顧客の声を聞く手段」は、「問い合わせフォーム/代表メールアドレスへの連絡」(53%)が最多。次いで、「問い合わせ窓口への電話」(45%)。
<5>あなたの所属する企業では、どのような手段(方法)を利用して、顧客や見込み顧客の声を収集していますか(複数回答可)
「あなたの所属する企業では、どのように顧客や見込み顧客の声を収集していますか」という質問に対し、53%の人が「問い合わせフォーム/代表メールアドレスへの連絡」を選択。次いで、45%の人が「問い合わせ窓口への電話」、28%の人が「企業SNS」を選択した。

昨今はオンラインでのコミュニケーションが活発化しているが、電話窓口を利用して声を収集している企業も多いことがわかった。また、SNSのダイレクトメールやリツイートはチェックしているものの、エゴサーチは積極的にしていないことがうかがえる。

■顧客の声を集めるために導入しているシステムは、「アンケートフォーム作成システム」(38%)が最多。次いで、「マーケティングオートメーションツール」(20%)。
<図6>あなたの所属する企業では、顧客や見込み顧客の声を収集するためにどのようなシステムを導入していますか(複数回答可)
「あなたの所属する企業では、顧客や見込み顧客の声を収集するためにどのようなシステムを導入していますか」という質問に対して、38%の人が「アンケートフォーム作成システム」を選択。専用のフォーム作成システムを利用してアンケートや問い合わせページを作成している企業が多いことがわかった。

次いで、20%の人が「マーケティングオートメーションツール」、17%の人が「CRM」を選択。「マーケティングオートメーションツール」「CRM」を情報発信に利用している企業も一定数あり、情報発信・収集の両面で活用していると考えられる。

■「顧客との関係性を向上させるための取り組み」は、「カスタマーサポートの窓口を設置」(29%)が最多。次いで、「オリエンテーション・イベント・セミナーの実施」「カスタマーサクセスの取り組み」(同率24%)。
<7>あなたの所属する企業では、顧客や見込み顧客との関係性を向上させるためにどのようなことに取り組んでいますか(複数回答可)
「あなたの所属する企業では、顧客や見込み顧客との関係性を向上させるためにどのようなことに取り組んでいますか」という質問に対して、29%の人が「カスタマーサポートの窓口を設置」を選択。次いで、24%の人が「オリエンテーション・イベント・セミナーの実施」「カスタマーサクセスの取り組み」を選択する結果となった。顧客や見込み顧客に対して、文面でのやり取りだけでなく、対面やオンラインなどで交流できるような場を設けている企業が多いことがわかった。

■将来的に実施したほうが良い施策は、同率で「Webサイトのお知らせなどの更新」「企業の公式SNSでの配信」(18%)。次いで、「チャットシステム・Web接客ツールの設置」(14%)。ネット上での双方向コミュニケーションに関心あり。
<8>あなたの所属する企業が未実施の取り組みの中で、将来的に実施したほうが良いと思うものはどれですか(複数回答可)
「あなたの所属する企業が未実施の取り組みの中で、将来的に実施したほうが良いと思うものはどれですか」という質問に対して、18%の人が「Webサイトのお知らせなどの更新」「企業の公式SNSでの配信」を選択した。次いで、14%の人が「Webサイトにチャットシステム・Web接客ツールの設置」を選択。

情報発信の手段を問う質問に対して81%の企業が「Webサイトのお知らせなどの更新」と回答しており、実施していない企業のほとんどが実施したほうがいいと考えているようだ。また、企業からの発信だけではなく、チャットシステムなどを活用して顧客との双方向コミュニケーションに取り組むべきだと考えている企業が多いことが明らかになった。