ラクーンコマースは、衣類や生活雑貨、家具、生活家電、食料品などを扱う中小メーカー勤務者を対象に、エシカル商品の製造・卸販売に関する実態調査を実施した。

同調査から、中小メーカーの4割が人や環境に配慮した「エシカル商品」を販売し、うち7割が販売拡大意向、雑貨・飲食料品・アパレルなど多岐に渡り展開を行っている。また、販売されている商品の特徴には「リサイクル素材」「オーガニック」「自然環境配慮商品」が上位に挙がっているとの結果が見られた。

調査背景
2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の世界的な広まりや、日本国内においても2020年7月のレジ袋有料化、2022年4月のプラスチック資源循環法施行などさまざまな取り組みが行われ、エシカルな消費活動に対する関心が高まっている。これらの傾向から、同調査は人や社会、環境、地域などに配慮した「エシカル商品」の製造・卸販売の実態に関してアンケート調査を実施した。

調査結果

(1)エシカル商品を販売している・販売予定のメーカーは全体の4割(41%)
(2)販売商品のジャンルは「雑貨」「食品・飲料」「アパレル」が上位に
(3)商品の種類は「リサイクル素材を使用した商品」が最多(48%)、次いで「オーガニック商品」、「森林や海洋など自然環境への配慮商品」が続く
(4)エシカル商品の販売に至ったきっかけは「エシカル消費への興味・関心があった」と「社会や環境に配慮する消費者意識が高まったと感じた」がいずれも4割前後に
(5)エシカル商品を販売中のメーカーのうち7割(70%)が、販売数や商品ラインナップを拡大意向
(6)販売商品に付いている「認証ラベル」の種類は「エコマーク」が最多、次いで「FSC認証」、「有機JAS」と続く
(7)エシカル商品の取り扱い以外で、製造・販売において環境に配慮して取り組んでいることは「過剰包装やプラスチック素材をやめるなど梱包の工夫をしている」が全体の2割(25%)
エシカル商品の取り扱い以外で製造・販売において環境に配慮して取り組んでいることについては「特に取り組んでいない」メーカーが5割程度(48%)いる一方で、取り組んでいるメーカーは「過剰包装やプラスチック素材をやめるなどの梱包の工夫」、「生産量の適正化を図り過剰在庫を削減」や「製造・生産の工程で環境負荷を低減」などが多い傾向がみられた。

また「その他」では、「商品の修理をすることで長く愛用してもらう」、「廃棄ロスを減らす」、「新規開発製品や企画依頼品にはなるべくエシカルなものを選択するようにする」といった取り組みをしているとの回答があった。

調査の結果から、エシカル商品を販売している中小メーカーは全体の4割とまだ少数派であるが、うち7割は販売拡大意向であり、手応えや意義を感じていることがうかがえた。

また、エシカル消費へのメーカー自身の興味・関心の高まりや、消費者意識の高まりが、エシカル商品の開発・販売のきっかけになっていることが明らかとなった。消費者庁が2020年に実施した意識調査では、59.1%の人がエシカル消費に興味があると回答しており、消費者意識が今後ますます高まっていくことで、メーカーによるエシカル商品の開発・販売も促進されていく相乗効果が続くと考えられる。

このたびの調査では、雑貨や飲食料品など身近な商品を中心に、商品ジャンルが多岐に渡る結果がでており、消費者の生活にさまざまな角度から浸透していくことも期待できるとしている。

調査概要
調査方法 : インターネット調査
調査期間 : 5月10日~18日
調査対象 : スーパーデリバリー会員 出展企業220名/外部調査対象者496名
属性:<規模>中小規模の企業・事業者<業種>食料・飲料・酒類・衣類・繊維製品・石けん・合成洗剤・医薬品・化粧品・日用品・AV・家電・電気機械機器など