No.1表示広告は「事実に基づくべき」が8割、購買意欲に影響するも効果は減退傾向 【マクロミル調べ】
マクロミルは、テレビCMやWeb広告などで度々目にする、「No.1」「ランキング1位」「業界トップ」などを謳った広告(以下、No.1表示広告)に関する消費者の意識調査を実施し、3年前の同調査と時系列で比較を行った。同調査は、7月27日~7月28日にかけて、全国20~69歳の男女を対象に、インターネットリサーチで行われた。
同調査では「No.1 表示広告」は若い世代を中心に、購買意欲に影響しており、効果的な手法である一方で、広告の内容によっては、半数以上が不快感を抱く可能性があることが確認された。2019年の調査と比較すると、好感や興味、信頼性なども微減していることから、消費者が広告内容を慎重に判断している様子がうかがえる。調査会社や広告主である企業が消費者の信頼を得るためには、誠実かつ公平な調査結果に基づいた訴求を行うことが求められているといえる。
調査サマリーと結果詳細は、以下の通り。
2. No.1表示広告の印象、「好感が持てる」「興味を持つ」「信頼できる」「買いたくなる」はいずれも半数以下だった。
3. 好印象では「人気がある」、悪印象では「うさんくさい」「信ぴょう性に欠ける」
4. 購入意欲への影響は若い世代ほど高いが、3年で減退傾向にある。60代への影響度低下は顕著だった。
5. No.1表示広告を「増えたと感じる」が過半数、「事実に基づくべき」は8割にのぼった。
No.1表示広告の印象として「好感が持てる」「興味を持つ」「信頼できる」「買いたくなる」は、いずれも半数以下。
No.1表示広告を見聞きした際、消費者はその商品やサービスにどのような印象を持つか。2019年の同調査との比較を行った。「興味を持つ」「好感が持てる」「信頼できる」「買いたくなる」の、いずれもあてはまる割合が3年で微減した。No.1表示広告をより慎重に判断するようになっていることがうかがえる。
好印象としては「人気がある」、悪印象としては「うさんくさい」「信ぴょう性に欠ける」。
No.1表示広告を見聞きした際の商品やサービス対する具体的な印象について、好印象上位5つは、「人気がある」「流行っている」「期待できそう」「勢いがある」「宣伝が上手い」となった。1位の「人気がある」は、27.4%と、2位と5ポイント以上の差があるが、全体の3割に届いていない。一方、悪印象の上位5つは「うさんくさい」「信ぴょう性に欠ける」「押し付けがましい」「売り込まれているように感じる」「企業の自己満足」の順である。上位2つの「うさんくさい」「信ぴょう性にかける」は4割に迫る結果となった。
購入意欲への影響は若い世代ほど高いが、3年で減退傾向。60代への影響度低下は顕著。
No.1表示広告が、どの程度消費者の購入意欲に影響するかを調査したところ、若い世代ほどスコアが高く、20代では約半数の49.7%だった。しかし2019年と比べると、ほとんどの世代でスコアが低下したことが判明した。特に60代が顕著で、影響すると回答した人は3割にも満たない結果となった。
No.1表示広告を「増えたと感じる」が過半数、「事実に基づくべき」は8割にのぼる。
No.1表示広告が増えたと感じる割合は54.7%と過半数を占める一方で、「消費者へのアピールに最適だ」と考える人は35.5%にとどまっており、No.1表示広告との接触は高くなっているものの、アピールにつながっていると考える人は少ないことがわかった。また、昨今No.1表示広告は、恣意的な調査によって不当な「No.1」がつくり上げられるなどの問題もあるが、「事実に基づくべきだ」は79.9%、「行政は広告の規制の強化をすべきだ」は42.2%となっており、No.1表示広告を行う側の誠実な姿勢を求められていることがうかがえる。
同調査では「No.1 表示広告」は若い世代を中心に、購買意欲に影響しており、効果的な手法である一方で、広告の内容によっては、半数以上が不快感を抱く可能性があることが確認された。2019年の調査と比較すると、好感や興味、信頼性なども微減していることから、消費者が広告内容を慎重に判断している様子がうかがえる。調査会社や広告主である企業が消費者の信頼を得るためには、誠実かつ公平な調査結果に基づいた訴求を行うことが求められているといえる。
調査サマリーと結果詳細は、以下の通り。
【調査サマリー】
1. 7割近くが月に数回以上見聞きするNo.1表示広告。半数以上は不快感を抱く可能性が見られた。2. No.1表示広告の印象、「好感が持てる」「興味を持つ」「信頼できる」「買いたくなる」はいずれも半数以下だった。
3. 好印象では「人気がある」、悪印象では「うさんくさい」「信ぴょう性に欠ける」
4. 購入意欲への影響は若い世代ほど高いが、3年で減退傾向にある。60代への影響度低下は顕著だった。
5. No.1表示広告を「増えたと感じる」が過半数、「事実に基づくべき」は8割にのぼった。
【調査結果】
7割近くが月に数回以上見聞きするNo.1表示広告。半数以上は不快感を抱く可能性も。
No.1表示広告を普段見聞きする頻度について、「週に何度も」は37.3%、「月に数回」は31.0%と、合計68.3%の人が月に数回以上見聞きしていると回答した。また、見聞きした際に持つ印象として、「好感を持つことが多い」15.2%、「好感を持つこともあれば、不快感を持つこともある」54.8%、「不快感を持つことが多い」12.7%だった。“No.1”が謳われても、それを目にした人が必ずしも好感を持つとは限らず、広告の内容によっては不快感を抱く可能性のある人が半数以上いることがわかった。
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【図1】 No.1表示広告との接触状況 (ベース:全体1,000名/単一回答)
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【図2】 No.1表示広告との接触時の印象 (ベース:全体1,000名/単一回答)
No.1表示広告を見聞きした際、消費者はその商品やサービスにどのような印象を持つか。2019年の同調査との比較を行った。「興味を持つ」「好感が持てる」「信頼できる」「買いたくなる」の、いずれもあてはまる割合が3年で微減した。No.1表示広告をより慎重に判断するようになっていることがうかがえる。
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【図3】 No.1表示広告の商品・サービスに対する印象(2019年と2022年の比較) (ベース:全体1,000名/単一回答)
No.1表示広告を見聞きした際の商品やサービス対する具体的な印象について、好印象上位5つは、「人気がある」「流行っている」「期待できそう」「勢いがある」「宣伝が上手い」となった。1位の「人気がある」は、27.4%と、2位と5ポイント以上の差があるが、全体の3割に届いていない。一方、悪印象の上位5つは「うさんくさい」「信ぴょう性に欠ける」「押し付けがましい」「売り込まれているように感じる」「企業の自己満足」の順である。上位2つの「うさんくさい」「信ぴょう性にかける」は4割に迫る結果となった。
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【図4】 No.1表示広告に対する印象上位5位(好印象と悪印象)(ベース:全体1,000名/複数回答)
No.1表示広告が、どの程度消費者の購入意欲に影響するかを調査したところ、若い世代ほどスコアが高く、20代では約半数の49.7%だった。しかし2019年と比べると、ほとんどの世代でスコアが低下したことが判明した。特に60代が顕著で、影響すると回答した人は3割にも満たない結果となった。
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【図5】 No.1表示広告は購入意欲に影響するか(年代別/2019年と2022年の比較) (ベース:全体1,000名/単一回答)
No.1表示広告が増えたと感じる割合は54.7%と過半数を占める一方で、「消費者へのアピールに最適だ」と考える人は35.5%にとどまっており、No.1表示広告との接触は高くなっているものの、アピールにつながっていると考える人は少ないことがわかった。また、昨今No.1表示広告は、恣意的な調査によって不当な「No.1」がつくり上げられるなどの問題もあるが、「事実に基づくべきだ」は79.9%、「行政は広告の規制の強化をすべきだ」は42.2%となっており、No.1表示広告を行う側の誠実な姿勢を求められていることがうかがえる。
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【図6】 No.1表示広告に対する考え方 (ベース:全体1,000名/単一回答)