映像コンテンツのマーケティング事業を総合的に手がけるフィールドワークスと映像メディア総合研究所は、有料動画配信サービスについての利用動向を調査・分析し、9月1日に「動画配信ユーザー実態調査2022」を公開した。

今回の調査では、全国5000人規模(うち有料動画配信利用者1600超)を対象に行われた。定額制見放題(SVOD)、都度課金制レンタル(TVOD)、デジタルデータ購入(EST)の3つの有料動画配信サービスについての利用動向を、ネットアンケート調査し、その分析結果をレポートにまとめている。分析結果は以下の通り。

■有料動画配信利用率は32.1%、映画館はやや回復するもパッケージメディアは減少傾向
「有料動画配信」の利用率(SVOD、TVOD、ESTのいずれかを利用した人の割合)は、前年から3.2ポイント増加し、32.1%となった。そのうち、「SVOD」が前年から3.8ポイント増加し、「有料動画配信」の利用拡大を牽引している。
他の映像メディアでは、コロナ禍で2年連続の大幅減となっていた「映画館」の利用率が前年から2.3ポイント増加し、回復傾向となった。「DVD・ブルーレイのレンタル」は前年から2.9ポイント減、「DVD・ブルーレイの購入」は前年から0.3ポイント減と、パッケージメディアの利用率は減少し続けている。

■有料テレビ放送とSVOD、いずれかを利用する‟定額制”の利用割合は38.3%に
映像ホームエンタテインメントの各サービスをビジネス・ウインドウ(ビジネス形態)別に集計すると、‟定額制“の利用率(有料テレビ放送、SVODいずれかの利用者割合)は、前年から2.8ポイント増加して38.3%となった。
一方、これまで二次利用において新作ビジネスの柱であった‟レンタル”(DVD・ブルーレイのレンタル、TVODいずれかの利用者割合)は前年から2.0ポイント減少、‟セル“(DVD・ブルーレイの購入、ESTいずれかの利用者割合)も1.1ポイントの減少となり、映像ホームエンタテインメントの利用は‟定額制”へと移行が進んでいる。メディア別の集計では、「パッケージ」が前年から2.6ポイント減少し、「有料動画配信」との差は10.2ポイントに拡大した。

ディズニープラス」、「スカパー!番組配信/SPOOX」の認知度が、前年から6ポイント以上増加
有料動画配信サービスのブランド認知では、トップのAmazonプライム・ビデオが前年並みの約6割に止まり、これに続くNetflix、Hulu、U-NEXTまでの上位4サービスは足踏み状態となった。ほか、ディズニープラス、スカパー!番組配信が、6ポイント以上と認知を伸ばした。
■「Amazonプライム・ビデオ」利用率が前年から5.8ポイント増加し、2割に到達
有料動画配信サービスの利用率(回答者全体における各サービスの利用者割合)は、Amazonプライム・ビデオが前年から5.8ポイント増加して2割に到達。続くNetflixも2.1ポイント増え、この上位2サービスが有料動画配信メディア全体の利用率を牽引している。

調査概要

調査目的:有料動画配信サービス利用者の利用実態の把握
調査対象メディア・サービス:(詳細調査)定額制見放題(SVOD)都度課金制レンタル(TVOD)デジタルデータ購入(EST)(利用率のみ調査)映画興行 有料放送 DVD、ブルーレイのレンタル DVD、ブルーレイの購入 無料動画サービス
調査期間:6月24日~29日
調査対象者:13~69歳男女
調査エリア:全国
調査方法:インターネットアンケート調査
集計サンプル数:5028人