金沢を拠点とするフードテックカンパニーのコノミーは、フードテックプロジェクトの開始を発表した。地域の新鮮な食材を活かしたレシピと、AIを用いたパーソナルミールキットを展開していく。

第一段階として、現在サービス運営中のスパイスとハーブを活かしたミールキット「Spice me(スパイスミー)」にパーソナライズシステムを実装。今後、ユーザーごとの「好み」に関するデータを蓄積し、段階的にサービスに反映させていく。
コノミーは創業当時より、「食にまつわる解析データ」を元に、人の好みと食事の選択との関係性を研究しており、取得したデータに基づく最適なレシピの提案を目標として開発を進めてきた。

過去には、保育所で提供した給食の食事前後の画像データから、各園児の食事の好み、前後の活動や天候による選択の関係性などから相関性の高いデータを抽出し、摂取した栄養素の可視化や、それらのデータに基づいたレシピ提案を行ってきた実績がある。
Spice meは、金沢発のスパイスとハーブを活かしたミールキットの宅配サービス。オーストラリアのスパイス卸会社にて開発担当を手がけた長岡志織氏が、地元石川県の魅力的な食材と自身の経験を活かせないかと模索しSpice meを立ち上げた。石川県金沢市にセントラルキッチンを開設し、地元産の有機野菜や近江町市場を通じた旬な食材を調達。仕入れ当日に個包装を行い、オリジナルミックスのスパイス・ハーブとともにその日のうちに出荷している。

現行のサービスでは、毎週6つのレシピからユーザーが好きなレシピを選択できる仕組み。つくる楽しさ、発見する喜び、食べたときの感動など家庭での食を通じた体験を提供している。
左:実際のミールキット/右:今週のレシピ(10月13日現在)
左:実際のミールキット/右:今週のレシピ(10月13日現在)
今回のプロジェクトでは、「食の好みとバランスをAIが理解し、ユーザーごとに最適なレシピを提供するパーソナルミールキット」を目指し、食にまつわるデータを家庭(利用者)単位で蓄積・解析することにより、各家庭のニーズにマッチしたレシピを自動で提案・提供できる仕組みを開発していく。
今回、Spice meの電子レシピに自らの「好み」が自動反映される機能を実装する。利用者が注文したレシピに対して、料理を気に入ったかどうかだけでなく、レシピ通りにつくった場合の塩加減・火加減・水加減・辛さの好みなどを専用フォームから入力することで情報を蓄積。利用者の好みを学習したシステムが、各個人に最適なレシピを自動生成して提供する。マイページから閲覧可能な電子レシピをパーソナライズ可能にすることで、ユーザーの好みに応じて、調味料の分量や加熱時間を自動で変更するアルゴリズムを実装。

現在、同サービスにおいてベータリリースされており、今後本格運用に向けて実証実験を重ねていく。