マーケティング・リサーチ会社であるインテージが、「イマドキ男子のメディア接触行動」をテーマとして、M1層の中でも若年層にあたる20~24歳男性「イマドキ男子」のメディア接触についての調査結果を発表した。本調査では、同社主力サービスであるSCI(全国個人消費者パネル調査)を基盤に収集した調査データ「i-SSP(インテージシングルソースパネル)」を用いてテレビ・スマホの利用分数を調査している。

「イマドキ男子」「M1」ともに、いずれの時間帯においてもスマホ利用時間がテレビを大きく上回る結果となった。両者を比較したところ、ほぼどの時間帯においてもイマドキ男子のスマホ利用時間がより長いことがわかっている。一方で、テレビ視聴はM1が上回った。
そこで、イマドキ男子が最も活発にスマホを利用する22時台のアプリ利用率と利用時間を調査した。
SNS系サービスが複数利用される中、M1と比較するとTwitterの利用率が特に高くなっている。一方でFacebookのポイントが低く、接点が弱いと判明。利用時間からは、SNS系アプリ以外にもYouTubeを筆頭とした動画系アプリやゲーム系アプリが上位にランクイン。M1と比較しても利用時間は長い。このことから、M1という従来の大きなセグメントで設計されたコミュニケーションプランでは、イマドキ男子に届きにくくなっている可能性があると言及した。

以上の調査に加え、同社分析サービス「生活者360°Viewer」のデータを用いて、SNSの利用実態や動画系サービス視聴理由、接触特性も調査している。イマドキ男子が多く利用するSNSの利用状況を詳しく見たところ、「LINE」「Twitter」「Instagram」が活発であり、利用頻度、フォロー・フォロワー数もM1を上回っている。また、動画系サービスの視聴理由として、利用上位の「YouTube」「niconico」では、「暇つぶしになるから」や「娯楽として楽しむため」との回答が多数を占めた。M1と比較すると、「特定の趣味趣向がある」という理由も多く、イマドキ男子の持つ「観たいものを観たい時に、好きなカタチで」というニーズの存在に言及した。このニーズから、テレビ視聴ではなく動画アプリを介したテレビコンテンツ視聴については、有効な接点としての可能性があるとした。
そのほかメディアとの接触状況を見ると、交通広告についてはイマドキ男子との接点の有効性が見られている。一方で、新聞、雑誌、ラジオとの接触割合は低い結果となった。また、スマホ・パソコンでラジオが聴ける無料サービス「radiko」が、イマドキ男子のアプリ利用率ランキングで60位になっている。この結果は、TVerなどのアプリによるテレビコンテンツ視聴と同様に、ネットにシフトしたラジオコンテンツが届いていると推測できる。
また、イマドキ男子の特性を調査するため、ヒトトナリやSNS上の行動についてのアンケート分析も行った。そこからは「他人からどう見えるか」に対する意識の強さが伺えると発表している。情報収集や発信、つながるための行動への関与が強く、いわゆる「SNS映え」を追い求める心理への通底について言及した。同社は、「若者」などの大枠で括られるターゲット層を精緻に切り取って分析することで、アプローチの糸口が見えるまとめている。