音声アシスタントの技術の普及により、音声ベースの広告の新しい活用方法が注目されている。アドビが、スマートスピーカーの所有者が増加している米国において、18歳以上の消費者1000人を対象に調査した「ボイスレポート(2019 Voice Report)」によると、25%の人はスマートスピーカーで音声広告を聞いたことがあると答え、そのうちの多くが「音声広告はテレビ、印刷物、オンライン、SNSの広告より押し付けがましくない」、「音声広告は他のチャネルの広告より興味を引く」など、音声広告をポジティブに捉えていることが判明した。

音声広告の媒体となる音声デバイス自体に対しても、調査対象者の9割以上が「使い勝手が良い」(54%)または「操作に支障がない」(41%)と回答し、使い物にならないと答えたのはわずか5%だった。

この調査を実施したAdobe Digital Insights(ADI)のアナリティクスおよびインサイト担当マネージャーであるヴィヴェック パンドゥヤ(Vivek Pandya)氏は「消費者は、無料コンテンツと引き換えに広告を消費するという概念に慣れてきている。また、スマートスピーカー経由で聞くものはパーソナルでカスタマイズされたものであるため、パーソナライゼーションの度合いが高く、押し付けがましさが少ないため、いっそう興味を引く広告にすることができる」と話す。

また成長分野である音声メディア領域で、「面白く新しい方法で消費者にリーチする方法を模索しているマーケターにチャンスをもたらしている。この分野はまだ競争が少なく、顧客へのリーチも他のチャネルほど混雑していないため、試すなら今が絶好のタイミングだ」とも述べている。